映画 「プリシラ」 2024(令和6)年4月12日公開 ★★☆☆☆

(英語 字幕翻訳 アンゼたかし)

 

 

1959年、西ドイツ アメリカ空軍基地

 

カウンターでひとりコーラを飲んでいるポニーテールの少女に、

テリー・ウエストという音楽担当の軍人が声をかけます。

「君はアメリカ人?」

「父の転属で8月に来たの。出身はテキサス オースティンよ」

「プレスリーとも親しいんだけど、彼の家のパーティにこないか?」

「親が許さないと思う」

 

 

テリーはその14歳の少女プリシラの両親を訪れ

「妻と私がお目付け役をします」「門限も守らせます」

と説得してOKをもらい、テリーの送迎でエルヴィスの家に。

 

父ヴァーノンに迎えられ、ピアノをひきながらノリノリで歌う

エルビスの姿を遠くから眺めていると

彼が近寄ってきて、声をかけられます。

「9年生」ときいて

「まだまだ子どもだな」とエルビス。

10歳以上年下のプリシラは「おチビちゃん」扱いされますが

またテリーから電話があり

「エルヴィスが会いたがっているから、金曜日に来てほしい」と。

 

テリーの車のなかで笑みをこぼすプリシラ。

祖母のドッジャーは家族のように歓迎してくれ

エルヴィスからも

「ぼくの部屋でゆっくり話そう」

 

故郷の人と話したかったこと、

母が急死してショックを受けていることなど

スーパースターのエルヴィスがプリシラの前では

淋しがり屋の少年のようでした。

「ママが生きていたら、きっと君を気に入るだろう」

「ずっとホームシックなんだ」

「わたしもよ」

 

別れ際にキスされたのを思い出し、学校でも にやついてしまうプリシラ。

両親は年の離れたスーパースターとの交際を反対しますが、

エルヴィス本人が直接やってきて

「お嬢さんは大事にします。門限も守ります」

「じゃあ、次からは君が迎えに来い!」

 

エルヴィスはマーロン・ブランドのような俳優になる夢を語り

映画のセリフも暗唱していました。

「帰国したらアクターズスタジオで学びたい」

 

 

エルビスの兵役が切れ、帰国する彼を追いかけるファンのなかに

プリシラの姿もありました。

 

エルヴィスの帰国後、誕生日にはプレゼントが届くものの、

ナンシー・シナトラとのロマンスが雑誌に載り、プリシラは心乱れます。

そして1962年、17歳になったプリシラにエルヴィスから電話があり

「メンフィスに来ないか?グレースランドでいっしょに過ごそう」と。

 

プリシラはまだ高校生。

反対する両親に

「こちらのカトリック系の学校にいれて、かならず卒業させる」と約束し、

1963年、ついにプリシラはエルヴィスのお屋敷グレースランドの住人となります。

                  (あらすじ とりあえずここまで)

 

 

ソフィア・コッポラ、正直苦手なので、リストには入れていなかったのですが

映画「エルヴィス」を配信で観た勢いで、

パルコの「ホワイト・シネクイント」で見るのならアリかも?

と思って鑑賞。

 

 

 

「エルヴィス」のオースティン・バトラーも顔は全然似せていなかったけど
ステージパフォーマンスはなかなかすごかったです。


本作のエルヴィスは全くの別人で、ぼそぼそしたしゃべり方がちょっと似てるくらい。

ステージ上のシーンもほぼなく、そもそもプレスリーの曲使ってたっけ?

 

こんな身長差なかったよね?

 

エルヴィス役のジェイコブ・エロルディって、身長196cmだそうです。

 

 

ま、主役はプリシラだから、エルヴィス・プレスリーは別にどうでもいいのかな?

つづきです(ネタバレ

 

グレースランドへはプリシラの父も同行してきますが、

豪邸で使用人もたくさんいて、みんなが娘を歓迎していて

世話もしてくれるようなのを見届けると、父は帰っていきます。

 

プリシラはカトリック系の女子高に転校しますが

「プレスリーの彼女」という噂でもちきり。

友だちもできず、エルヴィスも映画のロケで不在がちです。

 

「洋品店でアルバイトしてみたい」といってみるのですが、

「電話したときに家にいてほしい」と返され、

「黒髪にして、アイメイクも濃くした方が似合うよ」と。

 

 

言われた通り髪を染め、クレオパトラみたいなメイクに。

 

ロケ先では数々の女優と浮名を流しながらも

家で待っているプリシラには、キス以上のことはしません。

プリシラのほうから迫ってみても、

「『そのとき』は俺が決める」

 

プリシラは精神が不安定になり、薬を飲むようになり

学校の成績も悪化、落第しそうになりますが

「エルヴィスに会いたくない?」ととなりの子に話しかけて

テスト用紙をカンニングして、なんとか卒業します。

 

 

映画で共演したアン・マーグレットとの婚約報道をプリシラは心配しますが、

エルヴィスは、「くそミュージカル映画」や「ゴミみたいな曲」にいらいらしています。

精神世界にくわしいヘアメイク、ラリーの影響で

占いや迷信にハマったり、LSDを常用するようになったりしますが

ある日突然

「結婚しよう!今がそのときだ!」

とプロポーズされ、指輪を送られます。

 

 

1967年、ふたりは結婚。

エルヴィス32歳、プリシラ21歳でした。

 

翌年には娘のリサが生まれ、ディナーショーも好調でしたが

薬漬けでぼろぼろの体に鞭うってのツアー。

 

母になったプリシラは、髪色を元に戻し、

エルヴィスの元を去ることを決意。

「私は自分の道をいく」

「別れがつらいから、もう行くね」

 

わずか6年の結婚生活。

妻に去られたエルヴィスはその4年後、

1977年に死亡。わずか42年の生涯でした。 (おしまい)

 

 

え?

何を伝えたかったのか意味不明でした。

 

14歳の少女がスーパースターに見初められる・・・なんて

女の子が一度は妄想する「夢物語」ですよね。

それがなぜか、途中で立ち消えになることもなく、

結婚までこぎつけてしまいます。

 

「結婚まで関係を持たなかった」ことの真偽はともかく、

これを含めて

すべてが「エルヴィスのきまぐれ」で決められるとしたら

これもパワハラのひとつですよね。

 

「おぼこい生娘を守り抜く俺」にうぬぼれ、

「屋敷に閉じ込めて自分色に染める」のも「虐待」です。

 

理想の女性に飼育して家に閉じ込めておくのは

けっして「愛」ではない・・・

私のことをちゃんと見て!!

 

母親となったプリシラがそれに気づいて、悩み葛藤するのが

メインかと思ったら・・・・あっけなく家から出て行ってました。

 

(結婚前,共演女優に嫉妬するあたりは長かったけど)

別れの場面は、映画「エルヴィス」のほうが

ちゃんと描いていたような気がします。

 

完璧にプリシラ側からなので、

エルヴィス・プレスリーの経歴や音楽活動についてはまったく無視。

そもそも彼がなんでドイツにいたのかも説明なしでした。

(プレスリー世代には常識でも、若い人は知らないですよね)

 

私は、エルビスの妻であるプリシラの名前くらいは知っていましたが

10歳も年下だということは、「エルヴィス」を見るまで全く知りませんでした。

 

 

下は本物の写真ですが・・・・

 

10歳下に見える?

 

これなんか、なんなら赤ちゃんのおばあちゃんか?と思いました。

 

 

それから、ベッドの上でふざけて写真を撮りあうシーンがあって・・・

 

 

こういうのって、この時の本物の写真が残っていて

エンドロールとかに出したりすること多いんですが、

それもなかったということは、

写真撮りあうのも映画のオリジナル?

それって必要?

 

おしゃれでガーリーなのがウリの監督作品ですが、

今回は蜷川実花っぽい色使いもあったりで、

プリシラが沢尻エリカに見えたりして・・・(笑)

 

城田優みたいな人と

沢尻エリカみたいな人が

ずっといちゃついてるだけ・・・

 

いや、ここまで収穫のない映画も珍しく、

高評価の人はなにを褒めてるんだろ?