本作をすでにご覧になって、

「いい映画だったけど、あっちこっち気になった箇所があった」

と感じられた方 

 

そういう方だけを対象に書かせていただくことを

最初にお断りさせていただきます。

 

 

昨年末に「平山の住むこのアパートは京島で決定!

とか書いてしまったのですが、

(京島からスカイツリーは南方向なのに)

北側(北西方向)にスカイツリーが見えてたのを思い出して

足掛け2年、もやもやしていました。

 

とはいえ、周囲にも目立った建物ないし、行き詰っていたんですが・・・

 

 

ブロック塀のここに書いてあった文字はフェイクだろうと思っていたら、

「サンエム駐車場」「エステートタナカ」は実在し、

難なくロケ地がわかったのですが、意外にも

押上よりさらに南、区界も越えた江東区亀戸でした。

 

ここから電気湯に毎日通うのは不自然だし、川を2つ越えて浅草に行くはずもなく、

夜飲みにいくとしたら、錦糸町だと思うんですが、

まあこれはあくまでも「ロケ地」ということで・・・・・

 

ロケ地がばらけるのはちょっと残念ですが

平山の住みそうな部屋をよく見つけましたね。

 

2022年のストリートビュー

 

古いアパートなのに内階段のメゾネットタイプなのが気になっていて、

部屋の中と外観は別の場所で撮影?と思ったんですが、

たしかに部屋の撮影もここのようです。

 

(この時点ではどなたかが住まわれていたでしょうが、映画の設定では)

手前が平山の部屋で、ここだけ2階には入り口がないです。

他の部屋は内階段のない普通の部屋で、

他の2階の部屋には外階段で行くみたいですね。

 

2014年のストリートビュー

外階段の色が違うくらいで、このころから変化なし。

ニコがこの辺で待っていたんでしたっけ?

 

北西方向には

スカイツリーが見えます。

 

(追記)平山が早朝、ドアを開けて、空をみてちょっと笑う・・・

という印象的なシーンがあって、朝日を見てるのかな?と思ったんですが

まだ太陽はあんなに上にはないし、

視線の先にあったのは、スカイツリーだったかも!と、今、気づきました。

演出の意図はわからないけど、ロケ地の位置関係では、

「役所広司の視線の先」にはこの「スカイツリーの上の方」がみえてたはずです。

                           (追記 ここまで)

 

 

平山は質素な生活をしているけれど、

なんと趣味のよい暮らしぶり。

本もカセットも、カラーボックスなんて使わずに

きちんと愛を込めて収納されています。

タイトルまでは確認できないけれど、良いセンスをしてそうです。

 

身だしなみが完璧でいいお店を知っている男より

「本棚がちゃんとしてる男を選べ!」

と(若い女性たちには)声を大にして言いたいです(笑)

 

 

チラシやポスターの中央には縦書きの小さな文字で

「こんなふうに 

     生きていけたなら」

とありますが、多分、これってミスリードで

平山のような生き方を称えたり、推奨する映画ではないはずです。

 

彼には(具体的には明かされないけれど)

語りつくせないほどの辛い過去があって

いろいろな葛藤があって、いろんなものを犠牲にしながら

60歳くらい?になって、やっとこの境地にたどりついたわけで、

最初から目指すべきものなんかじゃないです。

 

アパートの一階の奥の部屋には大量のダンボールや荷物があるから、

平山は全然ミニマリストじゃないんですが、

あの荷物があったから、ニコを急に泊めることもできたのでしょう。

(突然登場したママチャリも、もしかしたらあそこにあったのかもね)

ニコを2階に寝かせて、平山はこの荷物の隙間に寝ていましたが

そのときに映った荷物のなかに

きっと、彼の過去のヒントがあったかもしれません。

 

彼の過去については、自由に思いを巡らすよう観客に託されていますので、

私もいろいろ妄想しました。(書かないけど)

 

 

そもそもこの映画がつくられたきっかけは

この 「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの世界発信なわけで、

宣伝と言わないまでも、いい感じに使って欲しかったと思うんですが、

このアートなトイレのビジュアルは

そこまでヴェンダース監督の興味を惹かなかったのかな?

 

映画としては素晴しかったけれど、

お金を出したプロジェクトの人たちはどう思っているのでしょう?

(プロジェクトのサイトにも映画の公式サイトへのリンクを貼っただけで

そこまで大きくは扱っていませんでした)

 

平山はともかく、タカシみたいないいかげんなスタッフも登場させるし、

平山にも、ときどき素手で仕事させたり、長靴を履かせなかったりするのにも

ちょっとひとこと言いたかったんじゃないかな~?? ←想像です

使用済みのユニフォームを自宅の部屋にかけておいたり、車通勤とかも

たぶん実際はないと思いますよ。

日本人監督ならクレームいれるところですが、ヴェンダースに

「これはドキュメンタリーじゃない」とか言われたら、何もいえないのかな? ←これも想像です

 

「公園の入り口に駐車するな!」というのは

先日、思わず書いてしまいましたが、そのほかにも

「地下鉄の出口(松屋前)の路上に自転車停めて酒を飲みにいくな!」

とか

「カセットテープのタイトルだけで、状態も確認しないで

買い取り業者が1万円で買うとかいうわけないじゃん!」

とか、

いろいろ言いたかったけど、ヴェンダース監督だからガマンしていました。

(書いてしまいましたが・・・・(笑))

 

東京に住んでいると、いろいろ細かいことが気になるのも事実ですが、

それを差し引いても、傑作映画だと思います!

 

ここまで読んでくださった方は、すでに鑑賞済みでしょうけど、

いい映画でしたね。

 

年末年始、「PERFECT DAYS」で、4ネタも書いてしまいました。