①泉 麻人さん  東京都區分詳細圖 (日地出版)

 

 

昭和31年生まれの泉さんは

子どものころから地図を見るのが大好きな子どもだったそうで

小学3年生くらいから、お小遣いでこの詳細図のシリーズを買っていたとか。

 

とにかく細部にわたって記憶が鮮明なので

きっと(1枚ものの詳細図だけでなく)

住宅地図も全部お持ちなのかとおもったら、

それは国会図書館で閲覧したり、あとは

知り合いの家の本棚の住宅地図をずっと見てたら

「そんなにお好きならどうぞ」

と譲ってもらったエピソードもありました。

 

 

表紙に映っている地図のなかで

本文中に記載のあったのは日地出版の地図のみ。

手前に映っている

「東京地図」は昭和30年代に和楽路屋から

「模範大東京全図」は戦前に九段書房から出ましたが

1枚ものの小縮尺の地図だから、そこまで参考にはならないかも。

シャツの模様にコラージュされているのは

港区の区分地図のようです。

 

 

(シャツの柄の地図は)

住居表示変更前で、都電も走っているから

少なくとも昭和41年より前ですね。

詳しい人ならピンポイントで特定できそうだし、

なんならフォントや町の色分けから

出版社まで特定できそうですが、今回は止めておきます。

 

 

こういう幼い頃の家の近所の記憶を

大人になってから地図で確認する作業はすごく楽しいですね。

泉さんは実家で発見した町内会の地図でチェックしてましたが

ためしに私の持っている

40年前の新宿区の住宅地図をひっぱりだしてきたら・・・

 

 

幼少期の記憶からすでに20年くらいたっていますが

ご実家もあるし、懐かしい名前もいくつかは残っています。

(この西側の頁のほうが多いんですが、あまりに個人情報なので控えておきます)

それにしても、泉さんのものすごい記憶力には脱帽です!

 

ちなみに日地出版の区分詳細図ですが、私は持っていません。

1枚ものの地図を広げるのが面倒なのと、

23区すべてではありませんが、ネットでも閲覧可能なので。

 

 

たとえば、文京区は↑からダウンロードできます。

 

これは今の東京ドーム周辺の1966年。

住宅地図ほどは詳しくないですが、

7500分の1で、

詳細な住所がわかります。

 

 

 

 

② 鈴木伸子さん 地番入り東京都区分地図帖 (和楽路屋)

 

 

鈴木さんは昭和36年生まれ。

「東京人」の副編集長を経て、今は、都市や鉄道や建物などについての執筆をされています。

「街歩き」をひとつのジャンルにすると、

世間には商業目的だったり、あまりにレベルの低いのが多いので

あんまりこの言葉は使いたくないのですが

ともかく知性にあふれた「街歩きのレジェント」です。

 

 

 

和楽路屋のこの60年前の区分地図帖のことを

鈴木さんは「座右の書」と書かれていますが、

ホントにこの本は「区分地図帖の最高峰」かもしれない・・・です。

特に見開きのカラー地図の裏側の詳細地図が

やたらと詳しいのです。

 

これは「コンサイス」の裏側部分で

これでもまあまあ詳しいですが

和楽路屋のは1軒1軒の

お店の名前まで載っています。

 

 

私の買った昭和37年版とほぼ内容は同じようなので

これを大事に使いたいと思います。

 

綴じ直したので、元の本の面影ないですが・・・

 

 

 

③ 冨田 均さん 東京都区分地図帖コンパクト版 (和楽路屋)

 

 

 
冨田さんは昭和21年生まれの「都市歩行家」で
「私を散歩者に仕立てた支援者のひとりが和楽路屋」
とまで書かれています。

 

 

和楽路屋の地図は、(東京での知名度は低いですが)

プロフェッショナルの方たちの評価が非常に高いです。

 

この本も、上の記事を書いたときは

鈴木さんの座右の書と同じ本だと思っていたんですが

「コンパクト版」というのは別物だと、あとからわかりました。

 

私が持ってる和楽路屋の地図は

4冊しかありませんが、

右端がコンパクト版

(A5サイズ)

さほどコンパクトじゃないですが・・・

 

おそらく、

同時期に発行したB5サイズのデラックス版を

ひとまわりコンパクトにした「廉価版」ということなんでしょう。

 

 

 

和楽路屋は1872(明治5)年創業の超老舗の地図出版社。

大阪から全国へ進出しましたが、デジタル化に乗り遅れて、

2006年に破産手続きが完了したそうです。

 

紙の地図と画面で見る地図は

私は別物だと思うんですけどね。

 

 

街歩きの達人たちは

紙の地図を心から愛する人たちでした!