映画「浅草キッド」 2011(令和3)年12月9日配信開始 ★★★☆☆

原作本 「浅草キッド」 ビートたけし  新潮文庫

 

 

昭和47年、、深見千三郎にあこがれたタケシは

浅草のフランス座のエレベーターボーイをしながらチャンスを待っていました。
やっと深見と話ができ「お前何かできるのか?」
タケシは深見のマネをしてタップダンスの猛練習をはじめます。
深見のそばで芸を学ぶタケシでしたが、
テレビの時代がくると劇場経営はさらに厳しくなり、
深見はタケシたち弟子の面倒もみるものの、収入は妻のストリッパーの稼ぎに頼っていました。


タケシはキヨシを相方に、地方のキャバレーやさびれた温泉宿をまわりますが
当然真面目に聞いてくれる客などいません。
「黙って聞いてろ馬鹿野郎!」と師匠譲りの暴言を客に向けるも、
乱闘となり追い出されるような日々。

コンビ名「ツービート」でより過激なネタをはじめると、ブームに火が付き、
80年代になると誰もが知る人気コンビになります。

妻を亡くして廃人のようになった師匠をたずね、優勝賞金を小遣いだとわたすタケシ。
ふたりで飲んで帰宅した深見は煙草の不始末で火事を起こしあっけなく死んでしまうのです。

通夜の席で、かつての弟子東八郎から、深見のタケシに対する思いを聞いて号泣するタケシ・・・・

                                            (あらすじ ここまで)

 

ビートたけしの子ども時代とか浅草時代とか、本も売れたし

なんどか映像化もされているので、そんなに目新しいエピソードとかないんですよね。

テレビドラマだったらこれでいいと思うんですが、

Netflix配信だったら、もうちょっと当時の浅草六区の時代感を出すのにお金をつぎ込めなかったのかな?

 

 

エレベーターであがるようになってからだから、この辺の時代でしょうか?(確証なし)

 

「浅草フランス座」のロケ地が「上田映劇」ときいて、

「青天の霹靂」と同じだ!と思ったんですが、そういえばこれも、劇団ひとりと大泉洋でした。

 

 

もちろん偶然でもなんでもなくて、これが初監督作品だった劇団ひとりの頭の中には

常に浅草キッドとフランス座があったんでしょうね。

 

行ったことないからわからないけど、ストリップ劇場って隠微で猥雑なイメージがあるのですが、

あんまりエロくなかったですね。

門脇麦がストリッパー役と聞いて、それらしいことをやるのかと思ったら

なんか歌もダンスもビミョーで、これはちょっと期待外れでした。

いや、スケベなオッサンみたいなこといいたくないけど、

地上波のテレビドラマならともかく、年齢制限もつけられるのにね。

 

 

柳楽優弥は、見た目は全然本人に寄せていないんですが、

それでいて芸風は今まで観た中で一番「ビートたけし」でした。

タップダンスも上手かったし、ふとした仕草もたけしそのもの。

 

俳優やタレント同士で、劇中、コントや漫才をやってるのをよく見るんですが

やっぱり一人はプロがいた方がいいですよね。

相方のきよし役がナイツの土屋伸之だったので、

もう二人の掛け合いは完璧、安心してみていられました。

メガネ外していたので最初気づかなかったんですけど・・・

 

歳をとってからのたけしはどこかのそっくり芸人だと思ったら、

特殊メイクで柳楽優弥が演じていたと知って驚きました。

クオリティは高かったけれど、これ、時間もかかるし、俳優にも負担がかかります。

若い時は全然ちがう顔なのに・・・・そこ?

そこにこだわる?

 

今まで散々映像化されてきていて、日本人には先刻承知のストーリーですが、

世界的映画監督の北野武の自伝を、カンヌ男優の柳楽優弥の主演で

世界に向けてせっかくNetflixで発信できるのに、まるでテレビの2時間ドラマのようで、

なんだかもったいないことをしてるような気がしました。