映画 「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」 令和元年6月28日公開 ★★★★☆

(英語 字幕翻訳 林完治)

 

高校生のピーター・パーカー(トム・ホランド)は夏休みを迎え、

親友のネッド(ジェイコブ・バタロン)やMJ(ゼンデイヤ)たちとヨーロッパへ旅行に行く。

ところが、ピーターの前にS.H.I.E.L.D.の長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が現れ、

彼にある任務を与える。                              (シネマ・トゥデイ)

 

最近のMCUにはついていけないけど、とりあえずスタンドアローン作品なので、

気楽に見に行ってしまったら・・・・やっぱりそこそこアベンジャーズをひきずっていました。

もう彼はボランティアの「ご近所パトロール隊」じゃなくて、アベンジャーズのリーダー候補なんですね。

世界を救うヒーローの責任感と、好きな女の子とよろしくやりたいボンクラ高校生のはざまで悩む

等身大の高校生男子の姿がありました。

 

 

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の相関図は、もはやたいへんなことになっていて

私はすでにギブアップ状態で、(一応「インフィニティ・ウォー」までは全作観てはいますが)

正確にブログを書く自信もなく、最新作「エンドゲーム」は観ていません。

 

スパイダーマンはトム・ホランドの3代目になってからはMCUのレギュラーメンバーになっていますが、

アントマンなんかと、「お笑い担当」というか、癒しの存在だったし、

トニー・スターク亡きあとは、もうアベンジャーズあんまり関係ないのかな?と思っていたんですが、

最初の方で、ピーターの通う高校の校内放送で、アベンジャーズの追悼番組が放送され、

アイアンマンやブラックウィドウたちの姿が映し出されます。

 

「インフィニティ・ウォー」のサノスの指パッチン(デシメーション)で人口の半分が塵となって消えてしまい

ここの生徒の半分も消滅したものの、5年ぶりに「エンドゲーム」で復活したから、

「バッチン組」は歳をとらずに16歳のまま高校に戻ってきた・・・というようなアナウンスがありましたが、

これは初心者向けのありがたい説明ですね。

(ちなみにピーターも親友のネッドもMJも、空白の5年のあるパッチン組です)

 

この高校では、ヨーロッパへの研修旅行があり、ピーターはそこでMJにプレゼントを渡して告白しようと、

頭の中はそれでいっぱい。

 

スパイダーマンとしての握手会の最中にニック・フューリーから何度も着信があるも、

へんなことを頼まれたくなくて、完全無視を決め込みます。

旅行にスパイダーマンのスーツもあえてもっていかなかったのに、

メイおばさんから、旧式のスーツをしっかりカバンに入れられていました。

(握手会の司会もおばさんだし、ピーターがスパイダーマンだともう気づいているようですね)

 

行きの機内で、ピーターはなんとかMJの隣の席に座りたくて策を練りますが

逆に先生の間に挟まれ、MJは恋敵のブラッドの隣へ。

オタク少年ネッドはたまたま隣り合ったベティと意気投合して、いい雰囲気になります。

 

ヴェネチアに着いた一行は観光をはじめますが、突如水のなかから巨大な化け物が。

ピーターはスーツをホテルに置いてきてしまったため、ウェブシューターで身を守るのがやっと。

そこへ、頭が水晶玉みたいな謎の人物が飛んできて、激しく応戦、やっつけてしまいます。

「ミステリオが大活躍!」とネットニュースに載りますが、

ミステリオとはイタリア語で「謎の男」という意味だそうです。

 

その夜ピーターはニック・フューリーに見つかって秘密基地に連れていかれますが

そこにはミステリオこと、クエンティン・ベック(ジェイク・ギレンホール)もいて、

「エレメンタルズ」というあの巨人たちの説明をしてくれます。

パラレルワールドの地球からやってきたベックは、ニックたちと協力してエレメンタルズ退治をしているとか。

エレメンタルズは4体あって、すでに「風」「地」「水」をやっつけたので、残りは「火」のみ。

これはチェコのプラハに近く出没するのでピーターも参加してくれと言われますが、

せっかく旅行を台無しにしたくなくてきっぱり断ると、あっさりホテルまで送ってくれます。

 

ところが翌日、「旅行のホテルがアップグレードして、行先はプラハになった」と先生からの説明が。

なんと長距離バスの運転手はニックの手下のディミトリでした。

(ヴェネチアからプラハまでバスで行けることにむしろビックリ!)

 

道中、ニックから渡されたトニーの遺品を開封すると、そこに入っていたのは

「次のスタークに贈る」とメモのついた渋い高級メガネでした。

もちろんただのメガネのはずもなく、イーディスという人工知能が搭載されて、

データベースにアクセスしたり、PCをハッキングしたり、軍事ドローンとも連携しているようです。

 

アルプスでのトイレ休憩のとき、ニックの部下の(?)女性エージェントに呼ばれ、

新しい黒いステルススーツを試着するようにせかされますが、

ピーターがズボンを脱ぎかけた時、偶然ブラッドがドアをあけて、女性の前でズボンを脱いでる姿を

写メに撮られてしまいます。

これをMJに見せられたら大変!

バスに戻ったピーターは、ブラッドのスマホの中のこの画像を消すように、イーディスに命令しますが、

ここで誤作動が起き、ブラッドを殺すべく、軍事ドローンが起動してしまうのです。

あせったピーターはなんとか頑張って、同級生を殺さずに、プラハ到着。

プラハでは戦いの巻き添えにならないよう、

同級生たちはアップグレードした豪華なホールでオペラを4時間鑑賞することになりますが、

MJもネッドもベティも、ホールをこっそり抜け出し、夜の街へ・・・・

 

予定通り出現した火のエレメンタルは、(金属に触れると強力になるらしく)ネッドとベティがデートしていた

観覧車に近づき危機一髪となりますが、なんとかベックと協力してエレメンタルを倒します。

このときピーターがつけていたスーツはいつもの赤と青のではなく、

アルプスで受け取った黒いスーツだったので、(スパイダーマンではなく)「ナイトモンキー」と呼ばれます。

 


二人の活躍は新聞にも大きく載り、フューリーは新生のヒーローチームを結成しようとしますが、

旅行中にエッフェル塔の上でMJに告白することのほうが大事な自分には務まらないと、

ベックにすべてを任せ、ニックの形見の眼鏡もベックのほうがふさわしいと・・・・

(たしかにジェイク・ギレンホールのほうがはるかに似合いすね)

ずっと謙虚に固辞していたベックは、メガネを受け取って一人になると、急に態度を変えます。

                                  (前半 あらすじ おわり)

 

これだけ世界が危機なのに、アベンジャーズの生き残りたちは全然登場しないので

エンドゲーム後の設定ではあるものの、私のような相関図を把握してない人でも

スタンドアローン作品として、問題なく楽しめました。

字幕も林完治さんで、テンポよく頭に入ってくるのですが、

いくら高校生でも、そこまでMJに告るのが大事?と思って、ちょっとイラっとしてしまいました。

今回も親友ネッドのことばで、ずいぶんいら立ちが収まったかも。

 

ここまでの戦いぶりは、なんかアナクロで、アベンジャーズというよりは

アンパンマンを見てるような気になりました。(これ、褒めてます)

 

 

ミステリオみたいな、こんな感じのアンパンマンのキャラって、いなかったっけ?(思い出せないけど)

そして、前半最後にメガネを手に入れて悪いお顔をするところでは

「だまされたな、アンパンマン! ハヒフヘホ~!」という

バイキンマンの声が聞こえてきそうでした(笑)

 

以下は後編。

ネタバレ度がさらに高くなりますので、観てない方はご遠慮ください

 

 

やっぱりベックはヴィランでした。

しかも彼がパラレルワールドから来たの言うのも嘘、多元宇宙の話も嘘。

エレメンタルズは存在せず、あの戦いは映写機を搭載したたくさんのドローンから投影していたのです。

つまり、ベック自身も特殊能力をもたない一般人で、ホログラフィック技術者だったんですね。

もともとはスターク社で働いていたんですが、彼の優秀な技術を認めてくれないトニーを恨んで退社し、

同じような不満分子を集めて、今回の騒動を仕組んだようです。

優秀なドローン技術者とか電磁パルスの専門家とか、いろいろいて、ピーターだけなく

ニックもだますなんて、すごいチームですね。

 

プラハの街で、ドローンの一機が搭載していた映写機を落下させ、それを偶然MJが拾ったことから

ピーターもこのことに気づき、メガネを渡したことを心から悔やみますが、後の祭り。

 

そして次の決戦地ロンドンへと・・・・

ベックは自分の秘密に気付いているピーターの友人たちも殺しにかかってきます。

彼らを守るのはトニーの元運転手のハッピーで、心優しいこのキャラクターには癒されますね。

ジョン・ファヴローは名監督なのに、なんでこんなにキュートなんでしょ!

(メイおばさんのことが好きみたいなので、もしかしたらこの後進展あるかも??)

 

軍事用ドローンも手中にしたベックたちに

ピーターがたった一人で立ち向かうのはかなり無理だと思うんですが、

大事なところでピーターの先天的第六感(ムズムズ)が力を出して、なんかベックに勝ってしまいます。

(この辺、ネタバレ回避ではなくて、ほんとによくわからなかったのです(-_-;))

 

そして、(ネッドはなぜかベティと別れてしまうけれど)

ピーターはめでたく告白に成功し、キスまでしてめでたし、めでたし・・・・

 

ここで本編は終わりますが、当然エンドロール後のおまけ映像を期待して、

誰も席をたちません。

 

(おまけ映像 その1)

ふたりがNYで空中デートを楽しんでいると、突然ビルの巨大スクリーンに緊急ニュースが流れます。

死ぬ間際のベックの姿の隠し撮り映像が流され

① ロンドンを攻撃したのは、アイアンマンの後釜を狙うスパイダーマンの自作自演だというフェイクニュース

② スパイダーマンの正体は高校生のピーター・パーカーだという

                                 真実だけど、ストーリー的にバラしたらダメな秘密事項

 

という、なかなかにショッキングなものでした。

 

このあと、さらに長い長いエンドロールが流れ、3割くらいの人が席をたったあと、

(おまけ映像 その2)が・・・

 

ニック・フューリーとマリア・ヒルは、本編のなかでも、ホログラムの偽物が登場しましたが、

本物とされるニックとマリアが実はフェイスシフトのできるこんな人だったということ、

 

 

彼らは本物のニックから「ピーターに形見のメガネを渡す」というお使いをたのまれていたんでしょうね。

だから、危機になってもほかのヒーローも呼べないし、ベックの正体を見抜けなかったんですね。

納得!

 

 

アベンジャーズの過去作は(エンドゲームを除いて)全部見てるんですが、

難しすぎてブログを書けていません。

スパイダーマンは、ブログをはじめた「アメイジング・スパイダーマン」以降は書いていたので

今回は長い感想を書いてみましたが、要領を得なくて、すみません。

 

アメイジングスパイダーマン」   (2012年8月6日公開)

アメイジングスパイダーマン2」  (2014年4月26日公開)

スパイダーマン・ホームカミング」 (2017年8月11日公開)