映画「スパイダーマン・ホームカミング」 平成29年8月11日公開 ★★★★☆

(字幕翻訳 林 完治)

 

 

15歳の高校生ピーター・パーカー(トム・ホランド)は、

まるで部活動のようなテンションでスパイダーマンとして活動していた。

まだ若い彼の才能に気付いたアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)は、

ピーターを真のヒーローとして育てようとする。

スタークに新しいスーツを新調してもらったピーターは、意気揚々と街へ乗り出し……。   (シネマ・トゥデイ)

 

 

映画版のスパイダーマンは、

トビー・マグワイヤの最初のシリーズが3作、アンドリュー・ガーフィールドの「アメイジングシリーズ」が2作

そして、トム・ホランドの新シリーズがはじまりました。

 

 

並べてみると、けっこうスーツのデザインも違っていますね。

 

そしてこのシリーズからはスパイダーマンは、MCU(マーベル・シネマティック・ユニヴァース)に取り込まれ、

去年公開の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のなかに、トム・ホランドのスパイダーマンはすでに登場しています。

アベンジャーズ揃い踏みのなかで、スパイダーマンは、アントマンと共に「お笑い担当」という感じで、出番は少なかったですが、

本作は、スパイダーマンが主役のMCUのスピンオフ的な作品。

アイアンマンのトニー・スタークと、キャプテン・アメリカも登場します。

 

新シリーズのピーターは、素顔はスマホが手放せない15歳の普通の理系の高校生で、

手作りスーツに着替えて、ご近所の人助けをして、それがYouTubeに画像がアップされて有名になってるのを楽しんでいます。

 

一方今回のヴィランは、こちらも「労働者階級」の一般人で、トニー・スタークに個人的に恨みを持つ・・・

設定がけっこう新鮮でした。

 

8年まえ、あの「ニューヨークの戦い」のあと、市からがれきの撤去と掃除を請け負った廃品回収会社の社長が

エイドリアン・トゥームス(マイケル・キートン)。

トラックを購入し、人も増やして張り切っていたのに、作業中、突然、ストップがかかります。

政府ダメージコントロール部が回収事業を引き継ぐから、すぐに撤退するようにと言われてしまいます。

つまり、トニー・スタークに、仕事も乗っ取られてしまったわけ。

 

自分たちで壊しておいて、その原状回復事業も自分たちの仕事にするなんて、そんなのあり??

頭にきたトゥームスは、「ウルトロン軍団の腕の破片」とか、何やら光を放つ地球外の物質をこっそり持ち帰ります。

そして、それらを利用してハイテク機器をつくり、武器として密売することを考えます。

 

そして8年後、いつものように街の巡回をしていたスパイダーマン。

自転車泥棒や車泥棒を捕まえようとするも人違いばかりで、あんまり役にたってないんですが、

偶然、銀行のATMを破壊する強盗集団に遭遇。

彼らがすごいハイテク武器をもってるのを知ったスパイダーマン(というかピーター)は一人で彼らを追跡するんですが

その「活動」は内緒ですから、ピーターには高校生としての日常もあります。

彼はけっこう学力優秀で、全米学力大会へ参加するメンバーにも選ばれ、

おそろいのブレザーでワシントンDCに行くことになります。

 

ピーターがスパイダーマンだということは、メイおばさんも学校の友だちも知らないんですが、

偶然、親友のネッドに知られてしまいます。

彼は内緒にするといいながら、学校でも質問攻めにするから、いつバレるかひやひやしてしまいます。

(現実にこういうことが起こったら、ネッドの反応が自然なのかも)

 

彼はメカオタクなので、スタークがくれた新しいスーツから追跡機能を外して、

スタークやお目付け役のハッピーから自由行動できるようにしてくれます。

新しいスーツは「補助輪機能」がオンになっているのにも気づき、それを解除したら、もっといろんなことが出来ることがわかります。

胸の蜘蛛のマークがドローンになって偵察してくれるのも便利ですが、

音声認識で、スーツレディ(ピーターはカレンと命名)が何でも調べてくれて、どんな命令にもこたえてくれます。

「強化戦闘モードにしますか?」

「即死機能をオンにしますか?」とか、すごいです。

 

今回のヴィラン、トゥームスがつけているアーマーは、大きな翼で空も飛べて、ヴァルチャー(はげたか)という名前。

手作り感にはあふれているけれど、破壊力もすごくて、スパイダーマンひとりではたちうちできないんじゃ?

 

 

マイケル・キートンつながりだと、(こんな羽根をつけていると)

なんか、オスカー獲ったバードマンを連想してしまいました。

 

 

彼はバッドマン役もやっていましたね。

ジャスティスリーグのヒーローが、マーベル映画にきて、悪役なんて、いいんでしょうかね?

 

 

トゥームスは、私生活では家族を愛する善きパパで、

なんとピーターの憧れの上級生リタの父親だとわかってびっくり!

今回はヒーローもヴィランも表の顔と裏の顔があって、なんか秘密まみれです。

 

今回はピーターがホントに等身大の高校生で、スマホで自撮りしたり、メール打つのも早いし、

そこら辺の子みたいなのが、若い人たちには共感度高いんでしょうが、

私くらいの年齢になると、こんなチャラいヒーローではちょっと物足りないのと

パワーでも一人じゃとても太刀打ちできないので、

アベンジャーズの中の癒し系キャラでちょうどいいと思います。

ただ、「シビル・ウォー」や「エイジ・オブ・ウルトロン」みたいに

あんまりたくさん出てくる映画は、私のようなアメコミに詳しくない人にはホントに厳しい・・

ほどほどの人数でよろしくお願いします。

 

トム・ホランドは、「インポッシブル」で健気に頑張る幼いお兄ちゃんの姿が忘れられず、

もうこのころから目をつけてた(→こちら)んですが、注目されるのはとても嬉しいです。

希望をいうなら、スパイダーマンはあと1,2作で若い子に譲って、

アンドリューみたいにさらに上を目指して欲しいです。