映画「クリミナル 2人の記憶を持つ男」平成29年2月25日公開 ★★★★☆

(字幕翻訳 松崎広幸)

 

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アメリカ軍の核ミサイルを遠隔で操作することが可能なハッカー、ダッチマンの居場所をただ一人知る

CIAエージェントのビリー(ライアン・レイノルズ)が、任務中にこの世を去る。

手掛かりにすべく、ビリーの記憶が死刑囚のジェリコ・スチュアート(ケヴィン・コスナー)の脳に移植されることになる。

凶悪犯である自身とエージェントのビリーの二つの人格がせめぎ合う中、

ジェリコは記憶が消える48時間以内にテロを防ぐため孤独な闘いに没入していく。(シネマ・トゥデイ)

 

 

他人の記憶を脳に埋め込む話、けっこうハリウッド映画では多いですよね。

最近では「セルフレス 覚醒した記憶」がそれで、ここでは記憶の受け皿となる肉体がライアン・レイノルズでしたが、

本作ではもともとの記憶の持ち主のほうをやっていました。

「アポカリプス」「セルフレス」では、死亡した大物の人格を若い肉体に入れて「実質的な若返り」でしたが、

本作では、テロリストの正体を知る死んだ捜査官の記憶を死刑囚の脳に移植して、捜査の手がかりにする、というもの。

なんか記憶がメモリースティックで、人間がその再生装置みたいですが、

本来の記憶や人格と、後から埋め込まれたものとのあいだで混乱する、というのがこの手の映画の「お約束」です。

 

あまり新鮮味のない話ではありますが、キャストはかなりの豪華版です。

右から、

①任務中に死亡するCIA捜査官のビリー(ライアン・レイノルズ)

②移植を担当する脳外科医のフランクス(トミー・リー・ジョーンズ)

③ビリーの記憶を移植される死刑囚ギャリコ(ケビン・コスナー)

④CIAロンドン支局長のウエルズ(ゲイリー・オールドマン)

という顔ぶれで、ケビン・コスナーが粗野で凶暴な死刑囚というのがちょっと意外でしたが、安定のラインナップ。

 

そして

⑤は亡くなったビリーの妻ジルで、なんと「ワンダーウーマン」のジル・ガドットが演じます。

 

ギャリコは、ビリーの記憶で、無意識のうちに彼の家に入り込み、妻のジルを拘束して家財道具を盗みます。

ところが、美しいジルをみていると、出会った頃の胸のときめきや恋心が蘇り、

だんだんビリーの人格が彼を支配するようになって、ジルと娘のエマを守ることが最も重要になっています。

一方で、核の遠隔装置がテロリストにわたっては大変なことになる。

テロリストにジルとエマを人質にとられ、果たしてギャリコはどうするか??

 

とにかく、ジルガドットの美しさが半端ない。

娘を守る強い母であり、ビリーの愛する妻であり、ギャリコ(というかビリー)の記憶の中の彼女はまさに女神そのもの。

「ワンダーウーマン」見る前はここまで思わなかったかもしれないけれど、彼女の存在がこの作品を決定づけています。

 

48時間のタイムリミット、スノーデンを思わせる亡命要求、ダッチマンをめぐってのCIA vs ロシアの駆け引き・・・

など、スパイアクションの要素が高いですが、

ジェリコが他人の記憶と共に、自分のなかに芽生えた未知の感情に戸惑いながらも、

ジルやエマに対する愛情を確信に変えていくところ・・・・・泣けました。