映画「キングコング」昭和8年9月14日公開  ★★★★☆

 

 

 

 

映画監督のカール・デナムは、最新作の撮影のため

顔見知りのエングルホーン船長の船に乗り込むが、

撮影内容も目的地も不明のため女優を雇うことができずにいた。

デナムはニューヨークの街中に女優を探しに向かい、

仕事を求めていたアン・ダロウに出会い主演女優に抜擢する。

アンを迎えたデナムはニューヨークを出港し、

地図に載っていない孤島「髑髏島」に向かう。

その航海の中で、アンは船員のジャック・ドリスコルと親密な関係になる。

 

髑髏島に到着したデナムたちは島に上陸し、

そこで原住民が島に住むコングに捧げる生贄の儀式を行っている姿を目撃する。

原住民はアンを見付けると、

「彼女をコングの生贄として譲って欲しい」と要求するが、

ジャックは要求を拒否し、デナムたちは船に戻る。

その夜、原住民たちは船に忍び込みアンを連れ去る。

 

アンがいないことに気付いたジャックとデナムは船員たちを連れて島に戻り、

アンを取り戻そうとする。

生贄にされたアンはコングに捕まり森の中に消え、

ジャックたちはコングの足跡を頼りに彼女を探す。

途中、ジャックたちは太古の恐竜に襲われ、さらにコングにも襲われ、

捜索隊はジャックとデナムを残して全滅してしまう。

ジャックはデナムに原住民の村へ戻るように伝え、一人でコングの後を追う。

島の頂上に着いたジャックは、コングが恐竜との格闘に気を向けている隙にアンを助け出し、

原住民の村に戻る。

 

ジャックとエングルホーンは島から脱出しようとするが、

デナムはコングをニューヨークに連れ帰り興行にかけようと計画する。

そこに怒り狂ったコングが現れ、原住民の村を破壊する。

デナムは船に積んでいた爆弾を使いコングを捕まえ、ニューヨークに連れ帰ることに成功する。

 

コングの興行初日、劇場は満席となり

デナム、ジャック、アンの三人は記者に囲まれ上機嫌になっていた。

しかし、記者たちがフラッシュをたいたため、興奮したコングは鎖を引き千切り暴れ出す。

ジャックとアンはホテルに逃げ込むが、コングに見付かりアンが連れ去られてしまう。

コングはアンを連れてエンパイア・ステート・ビルに登り始め、

ジャックとデナムは警察に駆け込み、

飛行機を飛ばしてコングを攻撃するように提案する。

警察は飛行機を飛ばしてコングを銃撃し、コングはビルから墜落し息絶える。

ビルの天辺に取り残されたアンはジャックに助け出され、

コングの死体を見たデナムは側にいた警官に

「彼女の美貌が野獣を仕留めた」と呟く。            (Wikipedia)

 

 

 

 

先日観た「キングコング髑髏島の巨神」の元となった映画は、

なんと今から80年以上前に作られたコレ!

やっとDVDで観られました。

 

「キングコング」の映画は何本もあって、

このあともジェフ・ブリッジス、ジェシカ・ラングの1976年版

最近でも2005年にエイドリアン・ブロディ、ナオミ・ワッツでリメイクされています。

私がみたことあるのは、多分1976年のだと思うんですが、

今回観た1933年版は想像をはるかに上回る面白さでした。

 

ウィキペディアの詳しいあらすじを転載したので、内容は省略しますが

今回観ようと思ったのは、どの辺が共通しているのか?ということ。

まず違うところからいうと、1933年版(面倒なので「旧作」ということにします)の目的は、

映画のロケで島に向かい

キングコングを捉えて見世物にして儲けようということ。

 

島の原住民たちとキングコングは敵対していて、

新作では(結果的に何人も死んでますけど)直接コングが殺すことはなかったけど

旧作では、かみ殺したり、何度も足で踏みつぶしたりしてました。

コング以外の巨大生物も旧作のオマージュがあるに違いないと思っていたら、

フツーの太古の恐竜、イグアノドンとかトリケラトプスとかで

特別キャラ設定があるわけでもないから、怪獣世代にはちょっと物足りなかったです。

 

共通しているのはコングがいじらしいまでにアンを大切に思う気持ち。

新作のほうで、コングがチェーンに絡まるシーンありましたが、

これは旧作の「チェーンで拘束されて見世物にされる」ことのオマージュでしょうか。

 

旧作の方は、桃太郎が鬼ヶ島にいくように、

こちらから出向いて爆弾を大量に使って島をめちゃくちゃにして、

今の感覚で言うと、ずいぶんと酷い話なんですが、

それほど怒りに結びつかないのは、きっとコングの造形の可愛さでしょうか。

まるまる実写だったら残虐な画像になりそうなところも、

恐さよりも楽しさが全面に出ていたような・・・

 

それにしても、80年以上前に

こんなに精巧なストップモーションアニメが存在したのには驚きました。

日本では無声映画からようやくトーキー映画に切り替わるくらいの時期でしたよね。

こんな国と戦争したって負けるはずです。

 

現実にはとうていありえない話なのに、

なんか現実味あふれる箇所もあってこれも面白かったです。

たとえば、船を出航させるにあたって、爆薬を大量に積み込んだものだから

「保険会社が積み荷の調査にくる」とか

危険な旅に同行する女性を探すために、

「女性救済の家」のあたりで食うにこと欠く貧しい女性をさがすところとか・・

当時は世界恐慌のあとの不景気な時代でしたからね。

 

撮影のためなら神をもおそれないデナム監督の猪突猛進ぶり。

彼は本当は危険な旅に女性をつれていきたくはないけれど

「ロマンスに欠けるとスポンサーがお金をださないから、

美人はどうしても必要」というのもなんか納得。

 

今見ても十分楽しめる映画を名作というのですね。

果たして新作「キングコング髑髏島の巨神」の方も80年先に残っているでしょうか?

 

 

そうそう、「髑髏島の巨神」のなかで、ランダが所属していた「モナーク」という機関ですが、

どこかで聴いたことあると思ったら、

「GODZILLA ゴジラ」の中で渡辺謙演じる芹沢猪四郎博士がいたところでした。

それがわかったうえで、エンドロール後のあのおまけ映像をみると、

今後の方向性がちょっと予測できますね。