高次構造とは
上級生対象の某科目で、「タンパク質の高次構造」を話題に取り上げました。しかし「何、それ?」というリアクション。それはないでしょう。
というのも、実は私が1年生を対象に開講している講義の中でも指定テキストにちょっとだけ載っていて、「詳しくは、生化学や有機化学で学習するはず」と説明してきていますからね。右の耳から左の耳へ抜けていっていたのでしょうか。
それと、「タンパク質の一次構造である、アミノ酸配列はどのようにして決める?」と聞いたら、「DNAの塩基配列を決定して、その情報から推定する」という答え。現代においてはたしかにそうでしょうが、昔はタンパク質を精製し、N末端やC末端から一つずつアミノ酸の種類を決めていました。
私が学生時代に使っていた古い解析方法も覚えて使えとは言いません。しかし、知識や技術が乏しかった時代、先人たちがどのようにして道を開いていったのか、その戦略・戦術は学んで参考にして欲しいですね。