その日。
空はどこまでも高く。
澄み渡っていて。
たくさんの人が、
この場所に集まった。
150人がステージに並び。
唄い、踊り。三線を奏でる、奇跡。
今の時代を魅せるかのような、
平和な、音色。
力強い、和太鼓の音色に。
心を動かされた。
大きな大きな背中に。
胸が突き動かされた。
西表の。
心を、忘れない人たち。
人から人へ、受け継がれたものを。
また人へ受け渡していく、想い。
それが。
生きていくっていうことなのかもしれない。
その、つながりを言葉に。音に。唄に変えて。
伝えてくれる、アーティストの方々。
彼らの想いに応えるように。
何千人もがともに手をかざして、
大声で歌っていた。
そして、彼らは。
その思いを、より深く。
深く伝えるために。
みんなで。
祈りを、唄った。
力と、想いと、音を重ねて。
激しい、アフリカのリズムも。
踊りも、歌も。
何一つ違わない。
僕たちの遺伝子が、響きだす。
僕たちは。
きっと、一つだった。
だから、
つながってしまうんじゃないだろうか。
求めてしまうんじゃないだろうか。
仲間や、
想いや。
つながりを。
子どもも。
大人も。
一つだった。
そんな唄を。
求めていた。
みんなが、
ひとつになれる唄を。
ステージ裏から見る世界は。
太陽以上に、
眩しくて。
前も、後ろも。
輝かしいものばかりで。
胸が、
ドキドキした。
今僕たちは、
世界と抱きしめあっている。
妄想のような。
実感。
こんなにも。
こんなにもたくさんの笑顔に囲まれて。
それでも世界が傷つけあっているなんて。
嘘でしかない。
そう思った。
ステージ裏から。
客席を眺めて。
一人、一人の顔を確かめた。
君は、どこだろう。
あなたに、会いたい。