自分自身は、昔からそうなのだが。
締切がないと仕事ができない、というタイプではない。
締切があれば、なるべくそれより早くアップしてしまおう、関係者に迷惑はかけられない、と思うほうだ。
したがって、のっぴきならない事情がない限りは、この30年、一度も締切を破ったことはない。
それは事実として自負している。
むしろ。
作り手としては締切があったがための弊害のほうが多い。
つまり、締切があったがために、納得がいく前に、手を離さざるをえない仕事も多々あるのだ。
(むろん、締切を守って、なおかつ納得のいくものを提出するのが、確かにプロだろう。しかし、それを云うなら、徹底的な追求を目指すなら、これこれまでに、という締切=制限があったら、いいものなど、できるはずもないのだ。大天才を除いては)
今やらせてもらっている一つの仕事は。
敢えて、厳然たる締切のない作品だ。
したがって、担当編集者氏と、延々ブッ通し3時間半かけて作品を詰めても、いっこうに差し支えない。
(記しておくが、これは打ち合わせではない。純然たるブラッシュアップのための、具体的な"作業"を行ったのだ)
これが。
ああ。
丁寧にやれるという仕事が。
なんと愉しいことか。