中年男の嫌らしさ情けなさをも真正面から描いたからこその一つの愛情の傑作、『秘密』を再読する | 武王の舞路愚変

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時に物書き、時に監督、時に教授…異端無節操"祭りの日々"


もはや。

言わずと知れた東野圭吾先生の傑作『秘密』。

この作品に関しては、発表当時も今も、「主人公の中年男がキモい」という批判をよく耳にする。

だが、しかし。

中年男の嫌らしさ、情けなさ、総じての"キモさ"をも。

逃げることなく真正面から描いたからこそ。

この作品は、一つの"愛情の形"の変遷を描く。

見事な物語になったのだと思うだ。

再読して。

改めてそのことを認識した次第。


秘密