Theory of Realization”実現の理論” -6ページ目

Theory of Realization”実現の理論”

未来(夢、目標)実現のためのシンプルな理論を解説しています。仕事、恋愛、人間関係等実現したい未来があれば対象は選びません。
未来実現のためのこのシンプルな思考法があくまでも机上の空論ですが、悩める皆さんの思考整理・意志決定の参考になれば幸いです。

皆さんこんにちは


少しだけ涼しくなって過ごしやすくなりましたね

季節の変わり目です、風邪などひかないよう御自愛下さい。


さて前回は物事の結果の原因を探ることについて軽くテクニック的なお話しをさせていただきました。

コトの順番をどのように見える化して、分析層別するかについて事例を用いて解説しました。


なんとなくコトが起きたであろう順序とそのコトを確かにしてしまう条件の存在について御理解

いただけたでしょうか?


今回は軽く、方策の考え方について触れてみたいと思います。

基礎編なので軽くです。考え方、思考の方法についてのテクニック的な意味合いで御一読ください。


では、方策と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?


手段とか方法、対策案などそんな感じを受ける言葉ですね。辞書では「はかりごと。計略。また、手段。方法」などと記載されています。


TORでは物事を実現する方法と定義します。

ゴールを決めてそのゴールへ確実に物事を向かわせるためのコントロールをTORで言う方策と御理解

下さい。


本題です。

前回の事例を再び見ながら解説しましょう。


Theory of  Realization”実現の理論”


この図で前回は解説しましたね。

前回触れましたが、この状況は”コップを落として割ってしまった”から解説を始めたものです。


では何を問題(problem)とするのかが重要なポイントです。

何を実現したいのかです。


この定義によって方策のセットの仕方が全く変わります。


工場の現場改善活動の中でよく起きるのが何を実現するのかが曖昧なままTPM用語やIE用語などによく

出てくるキーワードだけで何かを考えようとして失敗するあれです。


つまりTPMでよく出る”6大ロス””7大ロス”やIEでよく出る”7つのムダ”などを無理やり目の前の現場に

あてはめようとして本質と外れた改善を始めてしまうあれです。


-現場診断でよくあるやり取り-


発表者:「テーマは●●ラインの段取り替え時間短縮です」

     「我々は6大ロスの中の段取りロスに着眼し、従来段取り時間1時間を10分に改善しました」

     「その結果生産時間が増えて日当たり生産量を倍増できました」

診断者:「よく頑張りました」

     「ところでこのラインのタクトタイムの基準は?」

発表者:「・・・・・・・・・」(発表者窒息。。)



こんな風景よくあります。

タクトタイムとは製造ラインに求められる需要量から設定される生産のペースです。


例えば

 日当たり1000個が必要出荷量として、負荷時間8時間の場合。

 8時間×3600秒/時間÷1000個=28.8秒/個が製品1個あたりの必要な生産ペースです。


 さらに段取り時間や稼働率などの要素でロス時間が発生するので実際の作業サイクルもしくは

 ラインの生産ペース(これをサイクルタイムといいます)はそのロス時間を控除した時間で処理

 するように作業設計・ライン設計することになります。


 つまり発表者のラインのゴールがどう設定されているのか?というのが診断者の質問で

 発表者の報告している「日当たり生産量の倍増」が一体どのレベルの達成を指しているのかが

 質問の意図となります。


 タクトタイムをクリアしてもなお更に早いタクトで生産する努力は、出荷しない製品(在庫)を過剰に

 作り出すことであり、売れない製品をつくる=ムダな材料費、人件費、エネルギーを浪費すること

 を意味していてそうして出来上がった在庫は費用のかたまりとなるだけで”ムダ”となってしまいます。

 段取り時間が短縮できたなら生産量を増やすのではなくタクトタイムを守り品種を増やすつまり

 段取り回数を増やしてラインを通過させるアイテムの種類を増やすのが正解です。

 こうしないとキャッシュは回りません。

 

何を実現したいかが曖昧なまま改善してしまうこのような光景が”あれ”なのです。


では”コップを落として割ってしまった”の問題は何でしょうか?

コップを落としてしまうことなのか、コップが割れたことなのか?


製造者から言えば”コップが割れた”ことに関心があります。

なぜなら製品の品質やPL法(製造物責任法)に抵触する可能性からです。


また家庭の奥さんからみるとどうでしょうか?

”落としてしまうこと”かもしれません。

もちろん割れてしまうこともあるでしょうが

大抵はガラスのコップが割れてしまうことは落とすことがいけないと考える方が

一般的じゃないでしょうか?

消費者的には落とそうが投げようが割れないガラスのコップが望ましいですが....


実はどちらでも構わないんです。

TORは実現したい事を決めることに関心があります。”割れない”事を実現するのか

”落とさない”ことを実現するのかです。

”落としても割れない”という設定もあります。これは前提条件と実現するゴールを組み合わせた

設定方法です。TORでは短絡的なゴールよりも一定の前提条件をクリアして実現するゴールの

設定が一般的です。


では、ひとつを例にとります。

”割れない”をゴールとした時にどう考えるか。

もう一度図を見てください。”割れない”ために何をするとよいと考えるかです。

ポイントは条件という箇所です。


 (前回記事より引用)

 条件③コップがガラス製

 条件⑥コップの中に水が多量に入っていた

 条件①テーブルの隅にコップが置かれていた

 条件⑤コップが濡れていた

 順序④手が滑った

 順序⑦コップが床に落ちた

 条件②床がフロアリングで固い

 

コップが割れることに直接関係する条件は何番の条件でしょうか?

また間接的な条件は何番の条件でしょうか?と考えます。


「どの条件なんだろう...わかりにくいなあ」


となる方もいるでしょう、そういう時のテクニック

割れるという状況をもう少し物理的な表現で言い換えてみましょうか。


割れる=コップの許容応力を超える外力がコップ本体に働き破壊する


と、いささか回りくどめですがこんな感じでしょうか。

※出来るだけ固有名称を加えて言い換えると更に回りくどくなり関連条件を探りやすい文章となります。


するとこの状況と関係ありそうな条件が見えてきます。コップに外力を与える箇所ですね。

②が床であることが直接的な条件といえます。割れるほどの直接外力が加わる箇所は②しかありませんね。


では間接的条件とは何でしょうか?

②の条件の効果を増幅させてしまう条件です。その条件だけでは”割れる”ことはありませんが

その条件があるがために②の効果を確実にしてしまう条件を指します。

 

この事例では

 ③と⑥と直接条件の②の中に存在する状態になります。

 ③はコップが材質的に割れやすい状況を作り出しています。

 ⑥はコップの重量を増加させている、つまり床に落ちた時の衝撃を増幅させる条件となっています。

 ②は直接条件ですが、更に固い床という条件がコップに加わる衝撃を増幅する間接条件も含んでいます。


では”割れない”という事を実現する方策とは何でしょうか?

答えは非常にシンプルです。


③⑥②の条件の状態を逆にする方法を実行するということです。

※ネガティブをポジティブに転換する場合です。ポジティブを更にポジティブにする場合は

  条件の状態を更に増幅させる方策をセットします。


改善方針

③割れにくい材質のコップにする。

⑥コップの重量を軽くする。

②柔らかい床にする。


次に実現可能な方策は何だろうかと具体的な施策の有無で評価します。


具体的施策

③はプラスチック製にすること OK(可能性あり)

⑥コップに何も入れない NG(コップの本来機能と矛盾する)

②フロアマットを敷く OK(可能性あり)


どうでしょうか③②の方策が有効であるということが検討出来ました。

この方策を講じると割れる確率は極端に減少すると思います。

ここへ納期・担当をセットすると改善計画が出来上がります。


絶対割れないという状況を作り出したいのか、割れにくい状況を作り出したいのか。

この前提条件の持ち方によっても何を実現したいのかのレベルが変わります。

方策とは実現する未来のニーズにより打ち手の要求事項が変化するものなのです。

方策は条件を変化させる方針であり

変化させるレベルにより施策の質が変わるということを記憶してください。


今回の要点は


 ・方策とは物事を実現する方法である。

 ・何を実現したいのかを決める。

 ・対象となる物事の状況を物理的に回りくどく言い換える。可能な限り固有名称を多用する。

 ・条件に着眼する。

 ・条件の状態を裏返す。(ネガティブをポジティブに転換する場合)

 ・具体的に何ができるかを書き出す。

 ・実現可能かどうかを評価する。

 ・担当・納期を明確にして実行する。


要点といいながら手順も混ざってしまい箇条書きにすると長くなりました。。スミマセン

 


次回は別の事例で原因追究~方策立案のTORテクニックを解説したいと思います。


ではでは







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