皆さんこんにちは
前回、コップの事例で原因追究と方策立案までのテクニックを解説しました。
今回はもう少し単純な例で今一度、解説してみたいと思います。
”ボールが転がる”という状況を事例にそのボールの状況により原因や打ち手が変わるという点を
ポイントに解説してみたいと思います。
図をご覧ください
ボールが転がるという事象を二つの状況から考えてみます。
図1はボールが平坦な地面に置かれた状態から指でつついて転がる場合。
図2は斜面に指でボールを押さえた状態から指を離して転がるという場合です。
さあこの状態から前回のように”順序”と”条件”を見出していくことになります。
前回は発生した事象に関連するコトをランダムにピックアップし並び替えするということをしましたが
今回は、同じ事象でも状況により”順序”や”条件”の見立てが変わる点を重点に解説することにしボールが転がるまでの経緯を図1,2ではあらかじめ並び替えした前提という御理解下さい。
図1の場合
①ボールが地面に接地。
※どこを始まりとするかによりますが、ここではボールが地面に接地するところからにしました。
②接地面にボールの重力が加わる。
③指でボールが押される。
④ボールが転がる。
図2の場合
①ボールが地面に指で固定(接地)。
②指がボールから離れる。
③接地面にボールの重力が加わる。
④ボールが転がる。
どうでしょうか?
同じボールが転がる事象でも置かれた環境により原因となるコトの構成が違っていますね。
図1では指で押すということがボールを転がす最初の起点なのに
図2では指を離すというまったく正反対のコトが同じ事象を発生させています。
こういう場合、実は物理的に事象を言い換えると本質が見えてきます。
この時大切なキーワードが ”so what(それって何?)”です。
”ボールが転がる”って一体それって何?という考え方をします。
ボールが転がるということはつまり
「ボールが回転して位置を移動する」ということです。
そして”ボールが転がる”という文章の文意は”ボールが移動する”ことを指しており
回転することはその要因と分解できます。
ただし回転すること自体は場合によってはボールの位置を移動させることに貢献しない場合もあります。
つまり真上から見て独楽(こま)のように回転している場合はその場所に居続ける可能性の方が大きいですね。
なのでもっと回りくどく言えば、例えば
「ボールが前に回転して位置を移動する」 とも言い換えできます。もちろんその状況が事実であることが前提です。
つまりこの言い換えだけでもボールが転がって行く要因はボールの回転とその方向性に起因すること
が分かりますね。
そしてここでボールがなぜ回転することになったかと考えることが原因追究のポイントとなります。
過去にタイムスリップしてみましょう。
図1の場合も図2の場合も最初のコトの順序は接地です。でもこれはいわゆる状況の始まりにすぎず
ボールが地面に接地しているという前提に過ぎません。
直接的にボールが転がるコトの順序は
図1では③指で押す→④転がる
図2では②指を離す→③重力が働く→④転がる
です。
ここで図2の場合の③と図1の場合の②つまり重力の位置付けに着眼しましょう。
なぜ図1の場合重力が順序に加わらず、図2では加わるのでしょうか?
図1では重力はボールが転がることに直接関与しません。むしろ慣性の法則からボールをその場に
居続けさせようとする側に働く”条件”と考えます。反面、図2では斜面であるという地面の状況から
積極的にボールを転がす側に働く”順序”であり”条件”でもあります。
図1の場合、重力が大きければ大きいほどボールは転がりにくくなります。
図2の場合、重力が大きければ大きいほどボールは転がりやすくなります。
何が言いたいかお解りになりますでしょうか?
見た目、同じ事象も環境により同一の性質を持つ要素が全く正反対の関わり方になるということがあるということです。
つまり前回は方策を考える場合、関係する要素の”条件”を変化させるということを述べました。
しかし状況や環境をよく見渡し正しく全体感を捉えず、その”条件”を変化させる方向を間違えると真逆の結果を
招く(=失敗)ということです。
図1図2の”条件”という吹き出しをもう一度見てください。
前回、直接と間接という言葉で条件の違いを述べました。
今回もその区分の条件が存在しています。
図1の③は直接条件ですね、
この時の条件を物理的に言い換えるとボールを押す力であり力の加わる時間ですね。力×時間は力積と
いう衝撃の力です。この条件がボールに作用し回転する力を決定します。
また初速という条件をボールに与えます。
①②は間接条件になります。
①は摩擦係数②は重力でどちらもボールの回転しやすさの増幅・減衰に作用します。
図2の場合は③が直接条件です。
あたかも②の指を離すことが直接条件の様に思えてしまいますが実は③の重力がゼロの場合は
ボールはその場に留まり転がりません。また重力が仮にマイナスの場合(中に窒素ガスが入っているなど)
浮き上がってしまいます。
地面が斜面である条件の場合③の重力がボールを直接転がす原動力になるためです。
重力は重力加速度という条件で地球の中心に引き寄せられます。この方向を持った力が斜面である
地面では地面が水平になり地球に垂直に重力が働くまでボールに直接作用しボールの回転につながります。
①は摩擦係数で間接条件になります。
この図では割愛しましたが①の条件に加わる斜面の斜度も大いにボールの回転に増幅・減衰の作用に
関係すると言えます。
どうでしょうか、同じボールが転がるという事象でも環境により条件の作用が真逆になる場合があると
いう点お解りいただけたのではないでしょうか?
いささか理屈っぽい話になってしまいましたが今回は”順序”や”条件”が単に存在するのではなく
その様々な”あり方”により”事象”が実現されているという点を理解しましょう。
次回は今回の事例に基づいて”ボールを転がさない”ための方策を立案してみたいと思います。
そして前回触れなかった”未来へタイムスリップして確かめる”のテクニックを解説してみたいと思います。
ではでは
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