NPOにとって、一番大切な集まりなのが総会。今回は担い手達の各会議を含めて、12/16-183日間、東京のオリンピックセンターで開催。全国から95名(最多!)が集まって、2016年を振り返りながら2017年のアクションを計画しました。

その中で、「NICESDGs」について報告します。昨年国連で採択されたSDGSs(持続可能な開発目標)。とても大切で共感する部分も多い。でも、自分達が目指す世の中と本当に合っているのか、確かめることも必要なのでは?ってことで、理事会で創った「修正版」を、活発に議論しました。主な論点は、

 

目標1-1(原文)11.25ドル未満で生活する人をなくす。→(NICE版)全員が最低レベル以上の衣食住を持つ暮らしを営めるようにする。

→ 全員賛成!(付則意見:最低レベルは曖昧なので、具体的にすべきでは?)

 

目標2-4NICE版:追加)特に農薬と化学肥料の使用を激減させ、GM作物を根絶し、各国・各地・各家庭の自給率を高め、有機・自然農法を再生・発展する方向に大きく舵をきる。

→ 賛成多数(賛成21:反対5:棄権0

 

NICE版への賛成意見

JGM根絶大賛成。人体の遺伝子に影響を及ぼすリスクあり。

J土に影響がある。虫が食べられないものは、人間にも危険。

NICE版への反対意見

L理想的過ぎ。2030年までの目標としては理想論で終わりそう。

L農薬も使えるものは使ってもいいものもあるのでは?

L遺伝子に影響があるから×なら、自然の摂理に逆らい続けていた医療を否定。部分的に×っていうのはおかしい。

 

目標2-aNICE版:追加)自由貿易による地域産業の破壊から守るため、方向を大転換し、各国・各地域が自由に保護策を実施できるようにする。

→ 三つ巴でがっぷり(賛成7:反対6:棄権5 

 (議論後に再投票)賛成多数(賛成12:反対5:棄権4

 

NICE版への賛成意見

J小規模の物が安く作られる大規模に淘汰される。

Jお金を儲けるだけがゴールではない。

J自由貿易は格差を広げるだけなので、保護すべき。

NICE版への反対意見

L住民に聞くと、世界にもっと商品を売りたいと。

L東北では地元だけで消費をするのは難しいから、国際的なモノの流通によって促進されるべき

 

番外編「日本の人口増減」について(理事会では減っても構わない意見が多数だったが、それに対して)

→ 賛否がっぷり(賛成9:反対9:棄権3

 

NICE版への賛成意見

J東京人口多すぎ。

J生き方も変わっていくのでは。

J国力なんて別によいのでは?

NICE版への反対意見

L人数が多いほうが切磋琢磨しあって国力が高くなる。

L純日本人は減ってもいいけど、移民を受入、人数は多い方が国が活性化する。

L国力が下がると世界経済の中で不利に。

 

 

目標7(原文)現代的エネルギー→(NICE版。原文は原発も含まれそう)再生可能な自然エネルギー

→ 賛成多数(賛成20:反対0:棄権3

 
他に追加・修正したのは、

2.5 多国籍企業による種の支配からの脱却を明記。

2.b 食糧生産における自由貿易の野放図な推進を食い止め、地域の食を守る方向に転換。

3.2 新生児死亡率を下げることに、家族計画等による人口増加抑制も追記。

4.1 学校での教育だけでなく、ノンフォーマル教育の推進も追加。

6.2 野外での排泄の全面禁止から、衛生上の問題を派生するもののみ禁止を限定。

8.1 経済成長至上主義から脱却するため、項目を削除。

8.7 悪質な児童労働を根絶する一方で、良質な子どもの仕事は推奨。

9.c インターネットを推進することに、適正な利用を広げることも追記。

10.1 不平等の指標も所得金額から包括的な豊かさ指標に転換し、数値化の限界も認識した対策へ。

12.3 食品ロスは禁止・減少するだけでなく、それでも生じた分の有効な社会的活用を追記。

13.2 気候変動対策では、COP21で合意した目標と、公正な共通基準の則ることを追記。

16.1 暴力による殺人は大幅な減少ではなく、根絶を目指す。

16.4 核兵器の廃絶や戦争・内戦・テロの根絶を追記。

17.2 ODAは金額目標から成果目標に変え、負の成果を減らす必要も追記。

 

この後、NICESDGsを達成するためのアクションを、テーマ別に分かれて考えました。例えば、

●飢餓:事業で食品廃棄を0に。地産地消。

●健康:海外で衛生教育ワークキャンプ

●ジェンダーLGBTイベントを企画。LGBTに配慮したワークキャンプに(寝る場所等)

●格差:子ども食堂を応援。障がい者とも。

こうして、NICE版のSDGsが完成しました!ちなみに理事会では、他にSDGsの「野外での排泄をなくせ」に憤慨して対案を作ったりもしました。色々な違った意見を尊重すべき団体・活動なので、参加者や関係者に押し付けることはなく、少数意見も付けながら、発信・推進していきます☆