夕方、作業を終えて「コンテナハウス」に戻る。7年前までワークキャンプを共催していた方のご紹介でお借りしている原っぱにそびえ建つ2棟(下の写真左)。ここに10人前後のNICEのボランティアが生活しているのだ。夕食までのフリータイムを利用して、前々から提案していたマル秘プロジェクトをついに実行した!(写真右)
そうです。畑です!男3人で草を刈って土を整え、ブロッコリーやらキャベツやらの苗を植えました。生ゴミも肥料になるので、ゴミ減らしにもGoo。6月までいる「ぐっさん」が「管理部長」として、その後も世話してくれてるそうです。
4日目(5/5)。
昨日、独自の聞き取り調査をしていたら、「ぜひ明日来てよ」と頼まれたお宅に朝、7人で伺った。
ところが家の前で、初老の兄弟が何か言い合っている。「やっぱり、兄ちゃん、この家は諦めようよ。」「いや、…」
この家は行政の線引きでは「半壊」?に指定されていて、今なら無料で解体できる上に新しい家を建てると300万円の補助金がつくんだけど、早くしないと無効になってしまうそうだ。だけど、家は家具や窓は壊れて泥も入り込んでいるものの、柱も壁もしっかりしていて十分に住めそうなのだ。
「うーん」お兄さんは腕組みをしながら、黙り込む。解体するなら、片づけの作業も必要なくなる。俺達はじっと待ち続けた。長年住んだ家が、まだ住める。迷って当然だろう。
「やっぱり、俺はここに住みたい!ボランティアの皆さん、片づけを一緒にお願いします。」ようやく結論が下された。
5時間後、家はすっかり綺麗になった!ただ、それが本当に良かったのかは分からない。でもそこに住んでいる人が自分たちで決めたことは基本的に尊重されるべきかなとも思う。
東京にいると「全体の計画を個人よりも優先」と簡単に考えがちだけど、1人1人の重い人生がその中には入っているのだ。
帰りみち。津波の被害を寸前で免れた小高い丘。あちこちに、白い鮮やかな花をいっぱい咲かせたリンゴの木たち。
この木に真っ赤な実がたわわになっている秋になったら、ここの地域は、人々の生活はどんな風になっているんだろう。そして来年のまた花が咲く時には。。。そんな変わりゆくもの、いつまでも変わらないものを、この目で追い続けていきたい。
