デフレを脱却するには日銀がもっとお金を刷ればいい
日本のデフレ問題の話になると、このような解決案が提示されることがあるのですが、そもそも日銀(中央銀行)の仕組み上、それは論理的に無理なんです。
ところで
声のブログって面白いですね(笑)
おっと
日銀の話に戻します(笑)
いまの中央銀行の仕組みを理解していないとわからないと思いますけど、なるべく簡単にシンプルに書いてみます。
そもそも日銀(中央銀行)は民間の企業ですので株式で当然のように株主がいます。
いまでは日銀の株を半分保有しているのが誰なのかわからなくなっています。
なにか公表できないわけでもあるんですかね
日銀がお金を刷っている
私も以前はそのように思っていたのですが、
日銀がお金を刷るのではなく国立印刷局がお金を刷ります。
日銀内には当座預金があり、そこの当座には政府のお金や民間銀行から預かっているお金が入っています。
なぜ民間の銀行の当座預金が日銀に置いてある理由ってのは過去の記事で触れているのでソチラをご覧ください。
⬇(クリック)
過去記事の説明でもわかるように、いまのお金の発行の仕組み(信用創造)は仮に私が民間銀行の東京ナンチャラUSJにお金を100万預けたとすると、民間銀行は準備預金制度にのっとり、準備預金率(ここでは1%とします)の1万円を日銀に預けます。
このときに預けたお金が日銀内に置いてある各銀行の当座預金に入ることになります。
なぜこのような制度になっているのかと言えば
民間銀行側にもしもなにかの損失とか経済状況の悪化といった場合のリスク回避のようなものです。
当然
日銀の当座預金の残高があればあるほどその民間銀行は優良銀行ということになり、その準備預金残高に比例してお金を貸す貸し出せる金額が増えるということになります。
そもそも誰もお金を借りようとしなければ優良もへったくれもないのですが・・
で、話を戻しますが
国立印刷局が、例えば一兆円を刷って民間にばらまいたとしても日本円としての価値はなくその紙幣は必要とされません。
そこで国立印刷局の刷った一兆円分の紙切れを日銀が預かり日本銀行券(発行銀行券) と記載することではじめて日本円としての価値がつく、いわば借用証明書のようなものです。
ですので、本当はそのお金(借用証明書)を日銀に持っていけば日銀内に置いてある金地金、つまり金と交換できるって構造でスタートしているのですが、いまは金(キン)そのものがお金の供給量と比例しませんので交換はできませんが、そもそもはじめはそんな機能があったということです。
で、その国立印刷局の刷った一兆円分の紙を日銀がお金としての機能をとたせたとしても、そのお金が市場に流通することなく日銀の金庫にしまわれていて、日銀内のバランスシートでは資産として一兆円と記載され負債の方にも一兆円と書かれます。
どういうことかというと、民間銀行が日銀内の当座預金からお金を引き出すときに、はじめてお金が動くので、国立印刷局がどんだけ紙幣を刷ったところで誰の手にも渡らないって構図なんですね。
で、民間の銀行が日銀内の自分の当座預金から引き出す理由につきましては、お金が古くなったり紙幣が破損したりするのでそのために代わりの新たなお金を必要としますし、日銀内の当座預金の残高が増えれば増えるほど一般やら企業が銀行からそれだけのお金をおろすことも考えられるためだったりするので、国立印刷局が紙幣をどれだけ刷って日銀がそこにお金としての価値を付随させたところで市場にお金が増えるわけではないのです。
なので国立印刷局が一兆円の紙幣を刷っても日銀が一兆円の利益を得たわけではないのでバランスシート上は資産1兆円と書かれ負債にも一兆円と記載するってわけです。
で、いまの信用創造で作られるお金の発行の仕組みは、誰かが民間銀行に100万円を預けたときに、その民間銀行は準備預金率の(ここでは1%とする)の1万円を日銀に預けて、その残りの99万円を他の誰かに貸すことができます。
で、
誰かの預けた100万円と誰かが借りた99万円ですでに199万円になっています。
これを繰り返すと100万円の元本から1億円までお金を増やすことができるのです。
この結果、日本国内の皆さんの現金をかき集めると108兆ぐらいの計算になると思いますけど、みなさんが民間銀行や郵便貯金、農協貯金で預けているとされる預金の総額は1300兆円というズレた数字になってしまうのです。
ですんで
みなさんが一斉に銀行に預けてあると思っているお金を引き出しに行けば銀行は取り付け騒ぎとなり破綻してしまいます。
私達は銀行に預金を預けているっていう感覚ですけど銀行側から見ると皆さんにお金を借りているって構造なんです。
こっちからの目線とあっちからの目線では全然違っていたりします。
例えると
例えば私が誰かから車を借りて、それを他の誰かにその車を貸して利息を得ているという謎の構造が合法だったりするんですね。
簡単に書きすぎてわかりにくいかもしれませんが
これがいまの銀行制度です。
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