僕は今日僕の部屋にユナを呼んだ。


「へぇ、以外に綺麗な部屋だね。」

僕の部屋をぐるっと見回しいった。

まぁ、昨日頑張って片づけたんだけどね。

「で、話って何?」首をかしげながらいう。

「まぁ、ちょっと座ってよ。お茶でも飲みながらさ。」

ユナはだされたお茶を一口飲むとまた「話って?」ときく。

僕は話さなきゃならないと思い話をきりだした。

「あの・・・さ。僕、もうユナとは付き合えないっていうか、その・・・」

僕が話終わる前にユナが「・・・やっぱりいうと思った。」といって僕に近づく。

「・・・・」

「・・・いゃだよ。ユナ、テルキくんと別れたくない!」

そういうと、僕をギュッと抱きしめる。

「でも・・・」

「・・・そっかぁ!やっぱあのなつって子がテルキくんにそう言えていったんでしょ!?」

いきなり声のボユームがあがるユナ。

「違うよ・・・そんなんじゃない。これは僕の意思で・・・」

「いやだよ。いやだよ。離したくないっ!テルキくんはユナのテルキくんだもん!」

僕にしがみつくユナ。

「わかった・・・。じゃぁ、ユナ・・・僕と約束できる?」

「なに・・・を?」半泣きでしゃべるユナ。

「もう、僕の周りの人に何もしないって。」ユナの目をじっと見つめる。

「・・・何?その約束。」僕から目を離し下を向きボソッとつぶやく。

「え・・・?だから、もうしないって・・・」

「何いってるの?」僕の言葉をさえぎりはっきりという。

「ユナ・・・なにかしたかな?テルキくんの周りの人に何かしたかな!?」

ユナの目が変わった。さっきとは別人のようだ。

僕の奥まで見透かされるような恐怖感を覚える。

「何って・・・なつに・・・」

「馬鹿なこといわないでよっっ!!!」

心臓がドクンと音を立てる。

「ユナ・・・なにもしてないよ。ね?そうだよね?」

ユナは自分の近くにあったハサミを掴み自分の喉にあてる。

「いゃだよ。別れるの?ユナ・・・なにもしてないのにどうしてっ!ユナの料理はおいしいんだよね?ユナのこと好きなんだよね?」

喉に突き立てられた手に力がはいり、ユナの目からはポタリと雫がおちる。

「・・・めん・・・ごめん。もう別れるなんていわないから。・・・だからその手を降ろしてよ!」

このまま別れるなんていえばきっとユナは死んでしまうだろう。

それにこんな姿のユナをみたら、別れるなんていえない。

「あり・・・がとう。ユナ、テルキくんのこと一番大切なの。ユナの側から離れないでね。」

そういってハサミを置き僕の胸に飛び込んでくる。

「あぁ。わかったよ。もう泣くなよ。」

そういってユナの頭をなでる。


ユナは今日僕の家に泊まった。


ユナが僕の胸に手をあてぐっすりねむっている頃、僕は考えごとをしていた。

さっきユナがいった、ユナはなにもしてない、っていうのがもし本当なら・・・

ユナはおかしいのかもしれない。

それか本当にユナじゃないのか。

でもそれはありえない気もするし・・・

それにさっきの涙やあの行為。

あれは自分でやっていないと思うからそういうことをするわけで・・・

って、なんか混乱してきたぁ!!

もういい、考えるのはやめよう。

おやすみ・・・ユナ。








長くてごめんなさい。あともうちょっと続きます。

「退院できてよかったね。」

「う、うん。」

退院できなかったら困るでしょ・・・。

「でも、なつは・・・」といいかけてやめた。

そう、なつはまだ退院できていないのだ。

そりゃそうだろ。頭血だらけだったんだもん。


***数日後***


「あっ!」

僕が1人でろうかを歩いていると、なつがいた。

「あっ!テルキ!元気だった?」

「そっちこそ!ケガのほうはもう大丈夫なの?」

「うん。」

「そっか・・・、なんかいろいろごめんな。」

「ううん。あっ、ここじゃ話ずらいからまたいつか会えるかな?」

「ユナに・・・」

「大丈夫!今度は絶対ばれないから。」

元気よく言い張るなつに少し驚きながらも、「じゃぁ、またな。」

と手を振り別れた。


「テルキくん・・・遅かったね?」

「へ?あぁ、うん。」

教室に入って真っ先にユナに言われた言葉だった。

「まぁ、いいけど。授業始まっちゃうよ?」

見られたのかと思い冷や汗が出た。



『今日の話なんだけど、会って話したいっていったじゃない?

明後日に会えないかな。私がバイトしてるファミレスなんだけど。』

と、いう内容のメールがなつからきた。

『わかった。何時集合にする?』

『じゃぁ、午後3時とか。』

『いいよ。じゃぁ、また学校で。』

『うん。私が送ったメール全部削除しといてね。表示される名前も男の子の名前にしといて。

返事はいらないから。じゃぁね☆』

「・・・。」

なんという頭の良い子だ。

ユナに分からないようにってことか。



***なつと会う***


僕は約束通りなつがバイトをしているファミレスに入った。

「いらっしゃいませー!」

元気のいい明るい声が聞こえた。

「あっ。テルキくん。こっちこっち。」

「あっ、うん。」

なつに手を掴まれ引っ張られる。

ついた場所はお店の中の倉庫だった。

でも、倉庫とは思えないほど綺麗だった。

「ごめんね。こんなところで。私今日本当はバイトの日じゃないんだ。でも、店長さんにここ入ってもいいって許可とったから大丈夫。」

「気遣わせてごめんね。」

「いいよ、全然。呼び出したの私だし。」

二つ並べてあるダンボールの上に座る。

「話っていうのは・・・」

「あのさ、いきなりだけど、ユナちゃんのこと好きなの?」

「うっ・・・。いきなりだね・・・。普段のユナは好きだよ。可愛くて、料理がうまくて、女の子らしいとことか、笑顔がフワっとしてて・・・・。でも、なつも見ただろう?あの時のユナはユナじゃない。」

「ユナじゃないって・・・、じゃぁ、あれは誰だったの?」

「・・・。よくわからないけど、あれはユナじゃない。」

自分でも変なことをいっているのはわかっている。

でも本当にあれはユナじゃない。

「あのときはたしかに変だった。思い出すだけで寒気がする。」

「僕はなつのことが大切だ。」

「へ?う、うん。私もテルキは大切だよ?」

「そんななつをバットで殴るなんて・・・。僕も怖い体験は何回かあったんだよね。質問のひとつひとつが全部お見通しっていうか、おかしいっていうかさ・・・怖いんだよね。」

僕は下を向いて溜息をつく。

「そっかぁ。じゃぁ、別れたいとは思うんだ?」

「うん。この間別れ話を切り出したんだけど、聞こうとしないっていうか、次は何をするかわからないっていうか。」

「ふーん。簡単に別れるのは難しそうだね。私もさ、テルキが傷ついていくのを見てるのはつらいんだよ。会うたび傷が増えてるんだもん。私、正直いって初めてテルキを見た時、一目惚れだった。

でもさ、だんだん友達感覚になってきてさ。でも、今は男の中では一番の親友かな。」

照れたように笑うなつ。

そんななつがかわいらしい。

「あはは。なんか嬉しいこと聞いちゃったな。ありがと、なつ。

僕だってなつは一番の親友さ。僕あんまり友達いないから。はは・・・

今日もありがとう。もう一回ユナに話てみるよ。」

「でも、無理に話ちゃいけないよ。状況が悪化するから。」

「うん。わかった。」

「じゃぁ、何事もなかったかのように家に帰ってね。」

「うん。じゃぁね。」

「ばいばい☆」

そう言ってファミレスから出た。

「んっ・・・・」

「あっ・・・、テルキくん・・・」

うっすら目を開けると目の前にユナの顔があった。

「うわぁっ!」

僕はびっくりしてとび起きる。

「大丈夫?」

大丈夫ってユナが僕を・・・

「三沢さん、その子に感謝しないとね。その子がわざわざ連れてきてくれたんだから。」

えっ・・・

ユナが?僕をあんなに殴ったユナが?

そんなことしたらユナは警察に捕まっちゃうんじゃ・・・

「数人の人にあの子と一緒に殴られたんでしょ?」

数人の人?あの子、というのは誰だろう?

・・・・・

「な・・・なつっっ!!」

「そうよ、木元なつさん。・・・まだ、動かないでよ。包帯ほどけちゃうから。」

どうしてだ・・・?なつまで助けるなんて・・・

「・・・ふふっ、びっくりしたでしょ。」

不気味に笑うユナ。

「へ?」

「ユナがあの子まで助けるとは思わなかった?」

「・・・・・。」

「ひどいなぁ~。ユナはそんなに心狭くないよ?」

ユナが果物ナイフを掴む。

「何する・・・」

「大丈夫。これはテルキくんに向けるわけじゃないんだから。」

といって、病室を出ていく。


「ねぇ、なつさん。」

ユナはなつに話しかける。

なつからの返事はない。

「ねぇ、起きてるでしょ?」

「・・・」

なつからの返事はない。

「ねぇ、起きてるんでしょ!」


―――ボスッ


「うぐっ・・・!!」

なつの腹を殴った。

「ほら、起きてた♪」

「ユ・・・ユナちゃ・・・」

なつの手首に果物ナイフをあてる。

「・・・っ!!」

なつの体は震えだす。

「誰に聞かれてもユナがやったって言っちゃダメだよ?」

「何も知らないって言うんだよ?約束できる?」

「・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」

なつの呼吸が速くなる。

「・・・約束・・・できない?」

なつの手首にあてた果物ナイフをさっきより強く押しつけた。

「痛っ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」

「できるよね?」

泣きながら何回もコクッコクッと頷くなつ。

「ありがとう。」

そういってなつの病室をでる。



「ただいま。」

「お、おかえり。どこに行ってたんだ?」

「ちょっとね。」

そういうと、手に握っていた果物ナイフでリンゴの皮をむき始める。

「リンゴ食べれそう?」

「う、うん。」

「はい、あーんって口開けて。手、使えないでしょ?」

なぜか一気に鳥肌がたつ。

「ふふっ。嬉しいな。」

・・・・・ユナのその笑顔に僕はなんだか複雑な気持ちだった。