1.大限を求める
大限(だいげん)は五行局から割り出します。年齢は数え年です。数え年というのは、母の胎内に命が宿った段階を誕生日(0歳)とする考え方です。
甲・丙・戊・庚・壬年生まれの男性は「陽男」、女性は「陽女」。乙・丁・己・辛・癸年生まれの男性は「陰男」、女性は「陰女」に区分します。誰でも命宮から始まって、陽男・陰女は時計回り、陰男・陽女は反時計回りに配置します。
再度Sさんに登場いただきましょう。Sさんは庚年生まれの女性ですから「陽女」、五行局は「水局」です(第3章参照)。大限は命宮酉からスタートして、命盤を反時計回りに進みます。
水局 2-11歳、12-21歳、22-31歳、32-41歳、42-51歳、52-61歳、62-71歳、72-81歳、82-91歳
木局 3-12歳、13-22歳、23-32歳、33-42歳、43-52歳、53-62歳、63-72歳、73-82歳、83-92歳
金局 4-13歳、14-23歳、24-33歳、34-43歳、44-53歳、54-63歳、64-73歳、74-83歳、84-93歳
土局 5-14歳、15-24歳、25-34歳、35-44歳、45-54歳、55-64歳、65-74歳、75-84歳、85-94歳
火局 6-15歳、16-25歳、26-35歳、36-45歳、46-55歳、56-65歳、66-75歳、76-85歳、86-95歳
各局の最少年齢は、大限が影響力を持ち始める時期を示しています。つまり、自我や個性が芽生え始める年齢です。誕生から最少年齢までの大限は、時計回りの人は兄弟宮、反時計回りの人は父母宮をめぐっているとみなします。
2.小限を求める
大限は誰でも命宮から始まりますが、小限(しょうげん)が始まる宮は生年支から割り出します。
子・辰・申年生まれ → 戌宮
丑・巳・酉年生まれ → 未宮
寅・午・戌年生まれ → 辰宮
卯・未・亥年生まれ → 丑宮
これに該当する宮を数え1歳として、男性は陽男・陰男の区別なく時計回り、女性は陽女・陰女の区別なく反時計回りに配置します。
Sさんの生年支は「寅」なので、小限は「辰宮1歳」から始まって反時計回りに「卯宮2歳」「寅宮3歳」「丑宮4歳」・・・と命盤を進みます。
3.太歳を求める
これはとても単純です。その年の干支と同じ宮が太歳(たいさい)です。たとえば2023年は卯年なので、誰の命盤も卯宮が太歳になります。
天同化忌 文昌
12 24 36 48 60 72 84 42-51 財帛 巳 |
武曲 火星 天府
11 23 35 47 59 71 83 32-41 子女 午 |
太陽 陀羅 太陰 天喜
10 22 34 46 58 70 82 22-31 夫妻身宮 未 |
貪狼 鈴星
9 21 33 45 57 69 81 12-21 兄弟 申 |
破軍
1 13 25 37 49 61 73 52-61 疾厄 辰 |
Sさん 陽女 水局 |
西暦2010年 3月3日 10時30分 東京生まれ |
天機 文曲 巨門 擎羊
8 20 32 44 56 68 80 2-11 命宮 酉 |
2 14 26 38 50 62 74 62-71 遷移 卯 |
K盤 命宮酉 身宮未 |
陰暦庚寅年 1月18日 巳時 |
紫微 天相
7 19 31 43 55 67 79 112-121 父母 戌 |
廉貞
3 15 27 39 51 63 75 72-81 交友 寅 |
紅鸞
4 16 28 40 52 64 76 82-91 事業 丑 |
七殺
5 17 29 41 53 65 77 92-101 田宅 子 |
天梁
6 18 30 42 54 66 78 102-111 福徳 亥 |
4.行運を知る
Sさんが20歳(2030戌年)の行運を知りたいとします。このとき大限は申の兄弟宮(12-21)を、小限は申の兄弟宮(21)を、太歳は戌の父母宮をめぐっているので、各宮にある星の状態を見て、運気を総合的に判断します。
◆ ◆ ◆
大限十年運と小限一年運が、兄弟宮を重なってめぐります。貪狼+鈴星の組み合わせは暴発運を意味しますから、突然に数百万円の思いがけない金銭が入る可能性があります。余裕資金で宝くじを買ってみたら、当選するかもしれません。学業やビジネス上でも、意外な好運が待っています。積極的につかみに行くといいでしょう。父母宮太歳の紫微天相がもたらす環境は、平穏で高尚です。全体的には発展運ですが、そそっかしくなったり小気になったりするため、愛情面には不利です。男性と折り合いが悪く、恋のチャンスは翌年からの大限に期待します。