貪狼化祿(戊干化祿)

 

貪狼は本来、人付き合いが得意だったり、手段が円滑だったりして、人にちょっとした恩恵を施すのが好きという性質があるため、リーダーシップに欠けるものの、友人たちが周りを取り囲み、さながら社交の中心になっているようである。貪狼化祿の場合、こうした性質が最も顕著になり、しかも交際接待によって財を得ることができる。いわゆる「長袖善舞(頼るものがあると成功しやすい)」とは、このような人物である。

もし貪狼化祿が同時に桃花諸星と同度すれば、特に咸池・大耗・天姚・沐浴なら、その人は酒色を貪り好む情況が不化祿の貪狼よりさらにひどくなる。無煞なら、ただの歓楽街の常連客に過ぎないが、同時に煞を見れば、必ず酒色財気によって面倒なトラブルを招く。

貪狼化祿がまた左輔右弼を見れば、友人が多く、役に立つ友も多いが、もし劫煞・災煞・陰煞・指背・天虛といった雑曜を見れば、小人と親しくなり、群れて徒党を組み、かえって巻き添えをくう。化祿でない場合、巻き添えは小さい傾向にある。

 

貪狼と火鈴の同度を、「火貪」「廉貪」と呼ぶ。貪狼がさらに祿星に変化すれば、それは想定外の財を表す。簡単に手に入れることがあれば、突然に手に入れることもある。この二格はもともと暴発暴敗(急に成り上がり、急に落ちぶれる)の象徴だが、貪狼化祿で煞忌沖破がない者は、財を得た後も暴敗の危機を避けやすい。

しかし「火貪」「鈴貪」は空劫を最も嫌い、もし同宮加会すれば、貪狼化祿といえども、突然の財産喪失を防がなくてはならない。財は入るのも速ければ、去るのも速く、現代では、瞬く間に消えてしまう机上の富貴であることが多い。

貪狼の本質は競争の色彩(ギャンブルも競争である)を帯びていて、貪狼化祿の場合、競争に対して有利である。しかし同時に煞を見れば、競争の艱難辛苦が増す。物事が成功する寸前で突然に変化が生じ、一度は努力しないと、願いが叶わないことが多い。いわゆる煞を見るとは、陀羅が最も緊迫し、擎羊が続き、空劫同度は、かえって意表をついて勝利することもある。

 

貪狼化祿は、命宮・財帛宮を好む。事業宮では、必ずしもお金のやり取りができる意味にはならず、ビジネスに忙しく追われるだけの時もあり、この点について推断時は注意が必要である。

貪狼化祿は夫妻宮にも適さず、もし桃花・昌曲を見れば、配偶者が不忠であることを表す。しかし同時に天刑空曜を見る者は、配偶者が娯楽・芸術界で発展する兆候となる。

貪狼化祿が福徳宮にあれば、多かれ少なかれ肉親に対して不利で、少なくとも兄弟や部下と疎遠であることを意味する。

貪狼化祿が疾厄宮にあって、桃花諸曜を見れば、それは損失を表し、さまざまな病気を引き起こす。

一般的には、肝剋脾胃(肝の疏泄作用による胃腸虚弱)となり、食欲不振・肝風頭痛(めまいや動悸を伴う頭痛)などの症状が出る。女命の場合、生理・おりものなどの婦人病である。