太陰化祿(丁干化祿)

 

太陰は財星で、化祿も財を象徴するため、太陰化祿の時は同気になり、太陰が表す財の力に強さが加わる。しかし化祿が財源順調を主張するには、太陰入廟か、「反格」になる必要がある。もし太陰落陷なら、必ずしも富の象徴ではなく、精神的満足感を表すだけの時もある。昼生まれの人は特にそうである。

太陰化祿の満足感と天同化祿のそれは異なる。天同の満足は、逆境から順境に転じることにより、ようやく困難から抜け出すといった感覚があり、太陰の満足は、うれしく楽しく満ち足りた気分で、上と比べると物足りないが、下と比べると余裕があるといった感じがする。二者を比較すると、太陰化祿の人は、経験する紆余曲折は当然に小さい。

だから太陰化祿の富は、額では計れない。もしかすると額は人に及ばないが、満足感は終日あくせくしている者より大きいかもしれない。そして太陰化祿と祿存が同度か対拱する場合、その財富は当然に多く、しかも財の入りに余裕があるので、これに越したことはない。

 

太陰は財星で、武曲も財星だが、太陰は静・蔵の象徴であるため、財星の性質も武曲と異なる。大まかに言えば、太陰は計画を表すので、静かで動かない。だから太陰化祿の場合、計画は成功することが多く、財を得て、満ち足りた気分が増すという意味である。

しかし太陰落陷で、また煞曜・空劫の同宮か三方相会があれば、化祿といえども、計画は挫折の兆候を見る。あるいは言うだけで実行できないために、予測は的確だという満足感はあっても、実際には利益をもたらさない。

太陰化祿は必ず福徳宮巨門化忌であるため、巨門と同行するのがどの星曜であるかを見て、それから太陰化祿の具体的な性質を決めなければならない。一般的には勞心(気をもむ)を意味するが、苦労の限りを尽くした後に結局は成功することが多い。この時、当事者が受ける影響はお金に注意が及ばず、ただ自分の手で計画を成功させたいと願うだけなので、誇りに過ぎない。

 

太陰化祿は主に財富に対する満足感であるため、命宮・財帛宮・事業宮に居るのが良い。福徳宮に居る場合は、財務計画の積極的な投入に適し、努力を気にして収穫を気にしない気持ちで仕事をしさえすれば、かえって自分に実際の利益をもたらしやすい。そうでなければ、喜び楽しみを追求するだけになることが多い。太陰化祿と昌曲・桃花が同宮加会する場合、状況はなおさらこうなる。人生のめぐり合わせは往々にしてちょっとした間に決まるが、これが一例である。もしさらに空劫を見れば、特に物事の処理が空虚で確かでないことを表す。

太陰化祿は、入廟無煞で、命宮か六親宮垣にあれば、いずれも感情が深く厚いことを意味する。しかし落陷で煞を見れば、かえって一生埋め合わせができない欠点になる。

太陰化祿が疾厄宮にあり、落陷なら、健康に問題があることを表し、同会する星曜を詳しく調べて、その具体的な性質を決めなくてはならないが、一般的には、脾胃・腸臓の病気を意味し、特に神経痛の類の象徴で、中国医術でいう脾虛胃寒(冷え性・胃腸虚弱)である。