化祿

 

化祿は「紫微斗數」の中の重要な財星である。いずれの正曜化祿も、財禄の性質を持っているが、正曜の本質が異なることにより、財禄を形成する性質も異なるだけである。しかし、いずれにしても、財禄の性質は変わらない。

お金は流通してこそ、財気が旺盛になることを意味するため、一粒の化祿だけでは、生じる作用は大きくない。だから本来の星盤の中で、まさしく化祿と祿存は同度か対拱を好み、そうでなければ三方相会によっても、作用の流通が起こり始める。こうした状況は、通常「疊祿」と呼ばれる。

大限の正曜化祿は、当然に大限の祿存と同宮加会するのを最も好む;原局の化祿か祿存と同会しても、「疊祿」となり、通常は財気旺盛の兆しである。

化祿は進財(財が入る)を表すが、財帛を蓄積できるとは限らない。そして進財の程度、さらには儲存できるかどうかは、主に化祿の正曜性質によって推断される。

 

化權

 

斗數中の權星は、その性質が権力と理解できるので、地位にも意味を引き伸ばせる。なぜなら一般的な状況下では、先に地位を持ち後に権力を持つしかないからである。

またふたつの權星の相遇も好み、例えば流年太陽化權は、三方四正で巨門化權と同会すれば、この太陽化權は、別の特質を形成するだけでなく、権力の程度も増加することができる。

しかし権力のほかに、化權にはもうひとつ、化權正曜の積極性と安定性を増加させるという性質がある。例えば天機は本来が不安定だが、化權の後は、その揺れ動きが軽減され、さらに柔軟性を発揮できる。

權星は計画・管理にも有利である。

科文諸星との同宮加会は、地位と声望が互いに補い合う確かな表れである。もし權星と忌星が同会すれば、それは権力によって嫉妬・障害を招くことを意味する。

 

化科

 

斗數中の化科は、基本的な性質は名誉と声望で、そして名誉と声望の性質は、化科の星曜の本質によって決まる。

かつての社会は功名を重んじたので、文昌文曲化科を最も好んだ。これが「科文同會」だが、科挙の試験にトップ合格することを表す。現在は商業社会であるため、必ずしも文星化科を必要とせず、財星化科を好むことが多く、例えば太陰化科・武曲化科・天府化科(中州學派の庚干化科)の類である。しかもその人の名声と人望は、往々にして文星化科の者より大きい。これは社会の本質が異なるからである。

しかし時に化科は、心理的な満足であったり、誇りを持たせたりするだけのことがある。当事者が他人から高く評価されるという意味ではない。流年・流月を推断する際、この種の性質に最も注意を払う必要があり、一律に声望と名誉とみなすことはできない。

化科も張揚(言いふらす、公表する)と言う意味に拡張できるので、忌星との沖会を最も恐れ、秘密の公表によって障害を招くかもしれず、「惡傳千里(悪事千里を走る)」といった性質の可能性もある。

 

化忌

 

斗數中の化忌は、性質が非常に複雑で、大まかに言えば、化忌星曜の本質の最も悪い側面を発揮する。

どの星曜も、全てが善で全てが悪ということはなく、片手のように、手のひらもあれば手の甲もある。化忌はその悪性が外に表れたものである。

例えば太陽化忌の善性は、他人の世話好きだが、悪性は目立ちたがりで、太陽化忌の場合、目立ちたがりによって嫉妬を招く。これは太陽一星だけを切り離して言ったもので、実際に推断する際は、全体の星系を見て論じなければならない。

だから化忌が表現する性質は、おおむね挫折・障害・疑念・是非・紛失などの不吉と推定できる。

時に化忌が表すのは、当事者の内心の感情に過ぎない。例えば天同化忌(紫微斗數全集の庚干化忌)は、一般的には忙碌勞神(あれこれ忙しく気を遣う)だが、他人の目には、むしろ有能な者が多く働いていると見えることがある。だから化忌は必ずしも境遇における悪い変化を引き起こすわけではない。