指背(しはい)

 

指背も「將前十二神」のひとつである。その基本性質は、名前に完全に示されている。いわゆる「指背」とは、背後で議論(見えないところで取りざた)されることである。

指背と科文諸星が同度する場合、高名が誹謗中傷を招き、高才が嫉妬を招く。だから蜚廉とは本質的な区別がある。蜚廉がもたらす誹謗は、「蜚短流長(デマを飛ばして、もめごとを起こす)」に属し、ほとんど行動が誤解される。

もし指背と蜚廉が同度すれば、互いに影響を与え、背面にトラブルを受ける性質、および程度はともに悪い傾向にあり、なかなか避けることができず、自然の成り行きに任せるしかない。特に天機化科の場合、状況はなおさらそうである。ただ、もし天梁化祿が指背と同度すれば、かえって手段を選ばずに財を求める兆候である。

指背が命宮に出現する場合、性質は上記の通りだが、実は交友宮と兄弟宮に出現するのも不利で、事実や根拠のないデマは部下や同僚から出ることを表す。

 

咸池(かんち)

 

「將前十二神」の咸池は、生年年支によって立ち上げる咸池と、実際は性質に違いはない。唯一の違いは、將星によって立ち上げる咸池は、流年咸池とみなすことができる。

流年咸池と生年咸池の相疊(重なること)は、性質はやや強めだが、流年咸池と流年大耗が重なるか、二者が対拱する場合、色事によってトラブル困惑を招くといった現象はさらに深刻になる。

咸池は沐浴との同度も嫌い、これも色事によって破損することを意味する。さらに「泛水桃花」格局の貪狼と同度するのも嫌う。しかしこうした状況は、流年か大運だけに発生するもので、本来の星盤には出現できない。だからこの流年大運には、努めて注意すれば、往々にして回避できる。

流年に、咸池は武曲化忌と夫妻宮で同宮するのを嫌い、もし煞を少し見て、特に昌曲化忌と沖会すれば、配偶者が忠誠でない可能性がある。ただし原局夫妻宮の本質を明らかにして決めなければならない。

 

「泛水桃花(はんすいとうか)」・・・子宮で貪狼と擎羊が同宮するか、亥宮で貪狼と陀羅が同宮するパターン。男女を問わずロマンスが多く、色恋に迷って感情が大いに困惑し、結婚に紆余曲折が生じる。軽薄で好色に陥り、身を正すことができない。女性は特に不利。