天徳星(てんとくせい)

 

天徳・月徳・龍徳は斗数で「三徳曜」と呼ばれ、劫煞・災煞・天煞の「飛天三煞」と相反する意味を持つ。

天徳一曜は、特に父親や男性の目上の人に有利であるため、入廟の太陽か天梁と父母宮で同行する場合、一生目上の人のサポートを受けたり、父親の庇護を受けたりする。

このような性質から分かるのは、天徳と天巫および財星が同宮する場合、まさしく遺産の継承を表すということである。

このほか、天徳は天魁または天鉞との同宮および対拱を好み、サポートの力を増すことができるか、チャンスを得やすい。

しかし注意しなくてはならない性質がひとつあり、天徳は病気の危険を解消できず、また刑法の悩みも解消できない。だから「逢凶化吉(災い転じて福となす)」とみなすことはできない。解神のしるしのように、例外なく「消災解難」とみなすことはできない。流年の天徳はというと、天煞がもたらす弊害を相殺できる。

 

 

月徳星(げつとくせい)

 

月徳も庇護の象徴だが、天徳と違い女性のしるしなので、一般的な状況下では、ほとんど母親・義母・祖母である。

これにより、先人は天魁を天徳に、天鉞を月徳に配合するのを好み、こうした星曜の組み合わせは、互いに強化できると考えた。

もし文昌文曲が夫妻宮を運行し、月徳が同宮すれば、昔は、義母の歓心を買って名声と富を手に入れたとみなした。しかしこの性質は、もはや現代社会には合わない。それでも昌曲と月徳が命宮に同行する人が、女性の歓心を得られやすいのは、現時点ではかなり正確な見方である。ただ注意しなくてはならないのは、いわゆる歓心とは、決して桃花の意味を持たないことである。

しかし桃花諸曜と科文諸曜がみな集まった場合、月徳は桃花性質を強化する星曜に変わることもできる。流月に月徳が桃花に会えば月経を表す。

 

 

龍徳星(りゅうとくせい)

 

斗数の「三徳曜」は、星盤中で龍徳の力が最も小さい。しかし小限を推断する時は、太歳によって配置される龍徳は非常に力が強い。

星盤中の龍徳は、生年太歳によって立ち上がったものなら、紫微との同宮を最も好む。もし命宮であれば、人生に重大な災難がないか、災難ギリギリのところで逃げ出せることを表し、かなり良好な構造である。

流年では、流年太歳によって立ち上がった龍徳は小限宮垣での紫微との同宮を好み、祝い事があることを表し、特に昇進または経営拡大に有利である。生年龍徳が紫微と同行する者は、流年命宮がここを通過しても、祝い事を意味する。

流年龍徳と太陽の同宮は、名誉のしるしである。

生年龍徳が流年福徳宮にあり、正曜が吉なら、この年の精神享受はすばらしい。

龍徳と太陽・天梁の同宮は、冤罪事件の晴れ、また恨みの解消を意味する。紫微との同宮は特別な栄誉を表し、天府との同宮は貯蓄の増加を表す。同行を好むのはすべて主星である。