陰煞星(いんさつせい)

 

一般的な書籍や雑誌では陰煞を論じて、ほとんどが「犯小人(自分の目的達成のために暗がりに潜んで他人の足を引っ張る人物に出会う)」を指すとしているが、この雑曜の重要性に対する認識が不足しているように見える。実は陰煞がもたらす災害は、多くの場合これを上回る。

陰煞は寅午戌・申子辰の六宮だけに坐し、申子辰宮では落陷なので、この星曜を見たなら、多数は入廟を頼ってその危害性を軽減することはできない。

その危害性は、煞曜が同行する時に出現しなくてはならず、重要なのは煞曜が持っている陰暗面を増加させることにある。たとえば擎羊は競争の象徴だが、陰煞との同宮によって暗闇の中の打撃に変化する;陀羅は妨害の象徴だが、陰煞との同宮によって暗闇の中の先延ばしに変化する。だから陰煞と鈴星が同宮した場合、暗面の被害はとても大きい。

陰煞自身は病気の象徴ではないが、陰煞といくつかの星曜が同宮する場合、危険な症状や不治の病をもたらす。統計によると、一部のがん患者の疾厄宮には陰煞が入っていることがよくあるが、陰煞があるからといって必ずしもがんを発症するわけではない。