現在、書店には多くの命理書があり、「飛星」「飛忌」を宣伝して広めるといった問題によって状況が混乱しており、私に質問してくる読者もいるので、ここでお答えさせていただきます。

 

紫微斗数は最初、南派・北派の二派に分かれました。今私たちが学んでいる紫微斗数は、すでに科学的コンピュータ化の段階に進んでいます。現在流行している紫微斗数は、まさに南派の紫微斗数です。北派の紫微斗数は時代のニーズによって淘汰され、伝承が絶えています。

 

「飛星」という言葉が最初に登場したのは、徐良弼の『十八飛星策天紫微斗數』の文中で、これは北派の紫微斗数です。今はもう文章のタイトルが残っているだけで、内容は不詳です。北派では紫微十八飛星を、虚・貴・印・壽・空・鸞・庫・貫・文・福・祿・權・異・毛・刃・哭・刑・姚の十八星としました。この十八星が、とある宮で現れた変化を「飛星」と呼びました。この北派の飛星は、現代の台湾で一般的に使われている、こんがらがってはっきりしない意味の飛星とは内容が全く違います。

今日こうした「飛星四化」を話したがる命理家は、ただ十八飛星の名称を当てはめて、根拠のない新理論を独自に創造しているにすぎません。しかも十八飛星の原理を真に追及しているわけではないのです。この現象と問題について、私は『如何觀命・解命』という著書の第5章、第77ページの中でも討論しています。

また「玄空四化」が命宮天干を用いて命盤を作ることも証明されています。スタート宮位の寅宮中の天干を使用し、これに化忌を加え、第一次飛忌と第二次飛忌を形成するといった愚かな論命方法です。

これは完全に台湾の命理界の中で、自分は賢いと思ってうぬぼれ、変なことをやりたがる、頭のおかしい人物が考え出したもので、人と違うことを求めて、一派を成すために編み出したでたらめなスタイルなのだから、学ぶ価値はありません。

 

私が何度も強調するのは、紫微の命理を学ぶには、地道に続ける粘り強さと、事実に基づいて本質や真理を求めることが必要だということです。とても簡単なポイントですが、私たちは命盤上の星曜が代表する意味と位置から、人生の禍福を読み解くことができます。そしてあの変てこなことをやりたがる人たちは、一次飛忌・二次飛忌を手に入れて、ようやく悪忌であることを知るのですが、これは遅すぎ・愚かすぎ・自虐的すぎなのではないでしょうか? だからこうした理論は称賛に値しません。

 

<對你有影響的 十干化忌 法雲居士著 金星出版 18ページより>

 

 

四化星は流年干から飛ばすものです。「飛星四化」が唱える宮干から飛ばす技法は、正統紫微の教科書である『紫微斗數全書』には一切登場しません。法雲先生が力説する通り、近年の命理家が編み出した“新理論”にすぎません。ところが現在の紫微斗数界の情勢は、「星曜三合」と「飛星四化」が人気を二分する形になっています。さらに危惧するのは、紫微斗数の本当を知らない一部の日本人が、飛星四化の派生である「欽天四化」を、紫微斗数の奥義と思い込んでしまっている点です。

私は飛星四化を否定しているわけではありません。紫微斗数が正しく普及されることを願っているのです。そのためには真実を伝える必要があります。