擎羊星(けいようせい)・五行属陽金、北斗助星、化気刑又名夭壽煞、主刑傷凶危

陀羅星(だらせい)・・・五行属陰金、北斗助星、化気忌又名馬掃煞、主是非凶危

 

擎羊と陀羅は「紫微斗数」の一対の煞曜で、火鈴と合わせて「四煞」と呼ぶ。しかしながら羊陀の性質は火鈴と異なる。一般的には、火鈴がもたらす主なものは煩わしさで、羊陀がもたらす主なものは損失である。四煞が交錯するか空劫と同宮するときは、当然に別論となる。

 

擎羊化気は「刑」、陀羅化気は「忌」だから、祿存一曜は永遠に刑忌相夾を受けると言える。財富の性質はすべて縁起が良いというものではなく、これは昔の人の哲学で、また仏教で言うところの「不堅財(脆い財)」のようなもので、だいたい同等の意味がある。

 

擎羊がもたらす刑は、常に破壊力を示し、紛争はしばしば成功の間際で失敗してしまうか、成功してもトラブルが生じ、さらに後遺症を引き起こして、当事者を困らせる結果になる。

 

陀羅がもたらす忌は、滞りと引き延ばしである。紛争は本筋でないところで問題が起きるか、無駄に長い月日を費やし、さらには成功後、利益は依然として手に入らず、当事者をがっかりさせることが多い。

 

擎羊がもたらす破壊力は、常に明瞭な面にあり、反対と破壊の源をはっきり察知できる。陀羅がもたらす障害は、しばしば陰暗面にあり、当事者は本当の障害が誰から出たものであるかに気付きにくい。だから術家も擎羊のたとえとして「真小人」、陀羅のたとえとして「偽君子」をよく用いる。

 

以上から、擎羊と火星同宮時は破壊力との対抗に変わり、いつも人生に刺激を与えて発奮させる。また「馬頭帶箭(ばとうたいせん)」は、擎羊が午宮を運行するが、午宮は火に属し、しかも真南にあるため、激発の力を生むことができ、当事者は重大な困難を乗り越えて成功することを意味する。

 

しかし陀羅が火星と同宮するときは、かえって突然に滞りが生じることを意味し、人に想定外の感覚を与え、感情上において、擎羊火星がもたらす破壊と比べて、いっそう辛く感じる。いわゆる身辺に災禍変乱が生じた後は、ほとんどこうした状況になる。感情上において、当事者もまた命運がさらに悪くなったと認めるだろう。