13番目の宮とも呼ばれますが、単独では存在しません。身宮(しんきゅう)は人によって命宮・夫妻宮・財帛宮・遷移宮・事業宮・福徳宮の6宮のどれかと重なることになります。

命宮は生涯を通じてその人の人生に影響を与え続けますが、身宮は主に後天運を支配し、後半生に影響を与えます。身宮が影響力を持ち始める後半生の時期は、身宮内の星の配合などによって異なります。20代であったり50代であったりしますが、大限が切り替わるタイミングに多いようです。

人によっては身宮の影響力がほとんど出ないケースも見られます。特に身宮と命宮が重なる人は、生涯を通じて性格や特徴が変わることはありません。これとは逆に、命宮に主星が不在の人(命無正曜(めいむせいよう)格)は、身宮が命宮に取って代わるほど重要な意味を持ちます。

 

■ 身宮が命宮と重なる人・・・自由重視

最終的には自分自身のために生きる人生を選びます。

身宮が命宮と重なる人は、先天運と後天運に大きな開きがありません。生涯を通じて容姿、性格、特徴、行動傾向にほとんど変化が見られません。年齢や経験に関わらず、持って生まれた才能をずっと発揮できます。

 

■ 身宮が夫妻宮と重なる人・・・感情重視

良くも悪くも異性に関することが、人生において最大の関心事になります。

後天運の良し悪しは異性との関係によって左右されます。後半生を開運に導くには、何よりも結婚を最優先させることが重要になります。自分にとってどのような配偶者がふさわしいか、その人と仲良く歩んで行くためにはどうしたらよいか、そうしたことについて深く考え実践することで人生が良い方向へと向かいます。

 

■ 身宮が財帛宮と重なる人・・・財産重視

人生の後半は金銭を稼ぐことに最も関心が向きます。

後天運の良し悪しは、金銭を得ることができるかどうかにかかってきます。ですから結婚、人間関係、職業上の地位などよりも金銭が最優先されなければなりません。つまり、結婚のために金銭を犠牲にしたり、人付き合いに金銭を無駄に費やしたりするのは、後天運を下げる原因となります。

 

■ 身宮が遷移宮と重なる人・・・社交重視

対外関係と遠方での活躍が人生の大きな課題になります。

後天運の良し悪しは、外出移動先での対人関係と、生地生家を離れて外地に進出することに左右されます。遷移宮内の星の配合が良好であれば人間関係に恵まれ、遠方の地で人脈を活かして後天運を開くことができます。逆に星の配合が不良であれば人間関係に恵まれず、生地生家を離れると挫折して後天運を伸ばすことができません。

 

■ 身宮が事業宮と重なる人・・・地位重視

仕事最優先の後半生になります。収入の額より職業の内容が重視されます。

後天運の良し悪しは、職業の選択と職場の人間関係にかかってきます。適職に就いて、職業上の成功を手に入れることによって後天運は開けます。結婚や金銭や対人関係など他のどんなことよりも、まずは仕事第一で人生設計をするべきです。職業の選択を誤ってはいけません。

 

■ 身宮が福徳宮と重なる人・・・平静重視

何をするにも自分の趣味や価値観が最優先されます。

後天運の良し悪しは、精神的に喜びや楽しみの日々を送れるかどうかにかかってきます。趣味やプライベートタイムによってストレスを解消し、人生を楽しむ心のゆとりが持てれば後半生は開けます。逆にあくせくと忙しい毎日を送り、心のゆとりが持てなければ後天運は開けません。

 

身宮の位置の求め方について、紫微斗數原典の「紫微斗數全書」には次のように記載されています。

 

大抵人命、俱從寅上起正月、順數至本生月止、又自本生月上起子時、順至本生時安身。

を正月として陰暦生月分を時計回りに進んで止まり、 その地点を子時として生時分を時計回りに進んだ位置が身宮)

 

たとえば陰暦1月子時生まれの人・・・・寅が1月なので、そこから時計回りに1月分進むと寅。寅が子時なので、そこから時計回りに子時分進んだ寅が身宮。

たとえば陰暦1月丑時生まれの人・・・・寅が1月なので、そこから時計回りに1月分進むと寅。寅が子時なので、そこから時計回りに丑時分進んだ卯が身宮。

たとえば陰暦12月辰時生まれの人・・・ 寅が1月なので、そこから時計回りに12月分進むと丑。 丑が子時なので、そこから時計回りに辰時分進んだ巳が身宮。

 

又若閏正月生者、要在二月内起安身命。凡要依此為例。

(もし正月が閏月で2回あり、後半の正月生まれの人は、二月<卯>から開始して求める。他の閏月生まれの人もこの例にならって求める)