■特徴1

太陰の性質は収斂(慎む・控え目にする)潛藏(奥深く隠れる)、行動は慎重で保守的である。巳亥宮は四馬の地で、また対宮天機星の影響を受け、過分な収斂の性質を改善し、太陰を促してその一番すぐれた部分を発揮させ、急場しのぎの不意の出来事に対処する力を増加させるが、しかし太陰星の浮動性もまた増加させ、この星系に浮動性の性質を帯びさせる。浮動は環境の変動をもたらし、忙しく駆け回って苦労する場面が増加するけれども、チャンスもまたもたらす。たとえば出国留学、移民あるいは頻繁な国外出張、一業を守れずしばしば仕事を変える・・・といった可能性もある。その最たるが太陰在巳宮で、落陷の欠点が多く、星曜の性質はゆらゆらと漂う根無し草で、現実に足を着けるのは難しく、その人は優柔不断で性格不定、意志が弱く移り気で、仕事・住宅環境どちらも容易に変動する。太陰在亥宮の星曜は入廟で、個性は沈着で感情や考えを外に出さず、事の処理は大げさではなく、対宮天機星の機敏で素早く変化する影響を受け、太陰星を促してその一番すぐれた部分を発揮させ、才能を発揮させることができる。

 

■特徴2

太陰在巳亥坐命は亥宮が巳宮より優勢である。亥宮は夜晩9-11時の月亮で最も明朗、これを「月朗天門」格と呼び、この格は満月光輝の夜生まれの人を最も好み、上格である。古人のこの格局に対する評価は非常に高く、「日月並明」の位置にふさわしく相当な高貴度を備え、かつこの格の中に多くの格局の組み合わせがある。

事業宮太陽天梁在卯宮は「日照雷門」格である。財帛宮は未宮にあり、三合は「日月並明」が来朝し「明珠出海」格である。命宮三方は「機月同梁」格に巨日の組み合わせが加わり、富でなければ貴である。

この格局の人は顔立ちが美しく清らかで、性格は感情や考えを顔や態度に表さず、穏やかで礼儀正しく、温和な外見の裡にとても激しい志と企画心が奥深く隠れ、大権を掌握することができ財官双美で、古書に曰く「月朗天門、進爵封候」あるいは「月朗天門於亥地、登雲職掌大權」である。しかしこの格は「陽梁昌祿」格の形成が必須で、ついに完全に整い合格である。

事業宮の太陽天梁により、もし文昌・祿存あるいは化祿を見ることができれば「陽梁昌祿」格を形成する。古書に曰く「陽梁昌祿、傳臚第一名」。これは多くの成功した有名人の命理格局であり、学習能力が強く、試験運が極めて良く、競争に有利で、試験通過で地位を獲得することが十分にでき、政界・国家の重臣、あるいはこの分野の有名人になる。

前任總統馬英九先生はこの命格に属す。しかしどうしても高低の分があり、最終的には「陽梁昌祿」格だからといって誰もが總統になれるわけではない。

 

■特徴3

巳宮にある太陰は弱陷で、男女を問わず女親は不利である。性格は優柔不断で、短気で動くのを好み、処世の態度は逆に被動で、人格は定見がなく依頼性が重く、仕事は平凡で、もし夫妻宮が不吉なら、それは婚姻感情の関係が乖離することを意味し、出会いが少なく別れが多い。巳宮の太陰は弱陷で、星曜の性質は浮蕩無根であり、命宮を左右隣宮から廉貞・貪狼に挟まれ桃花の組み合わせとなり、異性縁が良く、一生感情の困惑が多く、晩婚に適する。太陰在巳宮は亥宮のようではないが、化吉および輔佐星曜を見ればかえって富となり、享受することができるが、あくまでも富であって貴ではない。

 

「月朗天門格」・・・太陰居亥位、夜生人更佳、男眉清目秀、温文儒雅、彬彬有禮、女美貌多姿、聰明有才智、不激亢偏激、思慮深遠、喜歡研究學問、文筆又好、適宜學者・專家、早年得志、有聲名地位、如加會祿存・化祿・天魁・天鉞吉星、掌権柄、富貴豐隆。『月朗天門、晉爵封侯』。