■特徴１
天同在巳亥宮は星曜入廟、その人は聡明で才能がある。天同は精神型の星曜で、天命に任せ思い悩まず、その瞬間に生き、生まれながら気楽で、福があればいかなる境遇にも満足し、度を越した怠惰と勝手気ままさによって積極性を欠き嫌われる。対宮は天梁星で原則と紀律を象徴し、比較的に理想主義で、意思や性格が強くきびしいといった特質がある。この二星は矛盾の性質を暗に含み、その人は見た目は温和で親しみやすいが、内心は天梁の剛強と固執を帯びている。しかし天梁在巳亥宮は弱陷の位置で、原則紀律は弱まり、天同のものぐさ気ままさを激発するのが難しく、しかも天梁星自身は「蔭」の性質が強すぎ、天同星を助けるには力がない。だからこの星系の人は、のんびりして優雅な生活を好み、進取の精神が足りず、何事も天命を聞くのを好み、現状に満足する。
■特徴２
天同星は感情豊富で、ロマンチックで感性的である。この種の豊富な感情はいとも簡単に感情上・生活上・仕事上に発生しやすく、天同の人生に不安定な浮き沈みを出現させる。天同在巳亥坐命の星系の夫妻宮・財帛宮はともに無主星で、問題と心を曇らす憂いが所在する宮位である。天同の人は感情が豊富、ロマンチックで多情、幻想を愛し、感情上の曲折が一般人と比べて多い。天同在巳亥坐命は対宮の天梁が弱陷で、天梁の原則紀律性を弱め、天梁の孤剋性を強め、飄蕩（さすらう）に変化させ、古書に曰く「同梁巳位、主飄蕩」である。その人の気質は浮ついて不安定で、拘束される生活を嫌い、婚姻と感情の安定性に影響しやすい。さらに天馬星を見れば、人生の動揺変化はますます大きく、その人は変動性質が大きい仕事を好み、あるいはいつも家におらず転々とさすらうようになり、これによって感情モデルはまた容易に不穏な状態になる。
財帛宮無主星は銭財に対する観念がなく、金を自分の思いのままに使う。借入する対宮の太陽太陰は一陰一陽、稼ぐのも多ければ使うのも多い。事業宮天機巨門は二星の性質が浮動で、事業は変動が多く、順境時はまだ何とかなるが、逆境時は自分自身を財務危機に陥れてしまう。
■特徴３
天同在巳亥坐命は事業宮が天機巨門で、二星の性質は浮動、事業は変動・繁雑で、ひとつの仕事でその一生を終えることはできない。しかし仕事中に変化を求めてこの難題を解決することは可能で、仕事の変動性質を利用して、天機巨門の浮動性質を減少させることができ、たとえば南から北へと駆け回る旅行・運輸・交通事業、あるいは頭を激しく使う高度な知恵の性質を備えた仕事が必要である。天同は生まれつき聰明で才能があることにより、その人は反応が迅速機敏で、頭脳や話術を生かして財を生む仕事、たとえば弁護士・政治家あるいは文化事業・大衆伝播、および星相（占星術と看相術）・芸術上で発展するのに適し、超人的頭脳、巧みな話術によって、人を説得することに長け、成功する。
「煙消雲散格」・・・天同獨坐命宮、逢文曲。吉ある所に凶もあり、行動は虎頭蛇尾で、一つの仕事に専念できるはずがなく、最後は「零」に帰す。行限に逢ってもまた同論。