■特徴1

紫微は北斗の主星で、開創(新たに創業する)に分類される。天府は南斗の主星で、守成(創業を受け継ぎ守る)に分類される。二星が寅申二宮で同宮すると一剛一柔、両方の気は互いに激しく牽制し合い、剛柔不済(硬さと柔らかさが調和しない状態)を生み出し、行動のよりどころを失い偽格に属する。

紫微天府寅申坐命は南北斗の主星の結合ではあるが、本質はかえって相反し一剛一柔、両気が互いに牽制して剛柔不済を生み出し、思う存分に能力を発揮するのが難しい。その人は両大主星の影響を受け、人並み超えた優越感があり、自己評価は尋常でないほど高く、人から立派だとほめられたい気持ちが強い。こうした動かしがたい心理状態を作り出し、成敗得失の束縛を受け、常に切羽詰まった状態に追い込まれ、何から手を付けたらいいか何度もためらい、下手に出て謙虚に教えを乞うこともできず、いつも進退の中にためらいがあって定まりにくく、結局往々にして元の場所に踏みとどまる。またそれこそ不利な状態に陥り、古書に云う「剛柔不濟(剛柔不調和)而進退失據、屬偽格」となる。六吉星によってその性質が調和されてこそ、攻守ともに良くなる。

 

■特徴2

紫微天府寅申坐命は二つの帝星の結合で、潜在意識の中に大将高貴の気があり、それが極限にまで発揮されて人並み超えた優越感を生み出すが、この種のまぼろしの優越感の下、自己評価がはなはだ高く、生命の過程は自己中心であり、他人と共鳴することが難しく、孤独感を抱きやすい。その人の権力欲に対する切実な思いは、簡単に超過して権力掌握を好むように見え、しかし権力の背後は往々にして無数の混乱との闘いであり、例えば能力不足時はまさに千斤の重荷が身体にのしかかるかのようで、負荷に耐えられない。これはまぼろしの優越感の下、支払った代価である。

紫微天府坐命の人は遷移宮が七殺であるため、一日中ずっと体面(世間から期待される外観)と物腰(人に接するときの態度や言葉)の幻想の間にいて、忙しく駆けずり回って奴隷になり、のんびり過ごせる日は少ない。

 

■特徴3

紫微天府寅申坐命は、南北斗の主星が一宮位上に集まり、命宮のエネルギーが強大で旺盛すぎ、その他宮位との落差がとても大きい。これによってエネルギーの傾斜を生み出し、人格は傲慢に至り、自己評価が高すぎ、他人と共鳴するのが難しく、心の奥深くに孤独感を抱きやすく、さらには権力地位を得てますます孤独寂寥を感じることになる。

この人は命宮紫微天府、事業宮廉貞天相、財帛宮武曲と、加会する星曜はみな財と勢の正曜で、自己個人の物質享受を重視するため、一生衣食を欠くことはないが、その他の部分は必ず欠失があり、例えば肉親の情に不足があったり、あるいは精神が空虚で苦悶するなどの部分があったりする。

 

紫府同宮格