集中力がないとか夜尿症とかチックとか吃音とか、子供さんの困りごとの相談を受けることがちょくちょくある。もちろんウチにおいでになる前にあっちこっちの医療機関や相談機関を回って、それでもらちが明かずに、それこそインチキでもともとくらいのつもりでおいでになるパターンが大半よ。

 

まあそれは尤もなことで、大きな病院で治らなかったものが雑居ビルのアヤシイ治療院で治るのか疑問に思われることが多いだろう。日本では医師以外の行う医療行為は「民間療法」というくくりでミソクソ一緒にされる傾向にあるからなおさらだろうね。

 

それでね、医療機関で最も重要視されるのは何かというとね、「診断」なのよ。病名がついて初めて治療が行われるというのが病院であれクリニックであれ大原則。ただねえ、先にあげた子供さんの困りごとのうちのいくつかは診断がつきにくい。自閉症スペクトラムと言われる通り、定型発達とそうでない子の境界が必ずしも明確でないから。

 

ウチにおいでの患者さんの中にも、あっちこっちの医療機関でいろんなことを言われたけれど、結局よくわからん、と言われた子が何人かいた。

 

でも、子供さんと保護者の方の願うことは診断をつけてもらうことではないよね。そうではなく苦しんでいる困り事から解放されたいというのが医療機関受診の動機であると思う。それでいいと言われた医療機関をあっちこっち受診するケースもあるけれど、そのたびに診断をつけるところから始まるのね。言ってみれば振出しに戻ってしまうわけ。

 

それでね、どんな病気でも早く治るに越したことはないんだけれど、子供さんの困り事は学校生活に直接影響してくる。小学生のころから辛い症状があって、ようやく診断がついたときには中学3年生、というのではやっぱりいろいろ困るんじゃないかと思う。

 

オレはボディワーカーだから、患者さんの緊張を緩め、緊張の原因を突き止めて解放する事しかしないしできない。ただ不思議なことに?それで子供さんの困りごとは改善していく。何も「病院で治らなかった子供さんの困りごとをオレは治せる」とか「子供さんの困りごとの真の原因はこれだ」みたいなことが言いたいわけじゃない。ただ、診断をつけてもらうだけでは必ずしも症状の改善に結び付くわけではないという当たり前のことが、割と子供さんのケアでは忘れられているのは間違いない。