しんど過ぎて入浴する気になれないことをこういうらしい。入浴すれば疲れもとれるだろうに、と思う人もいるんだろうけど疲れの種類によっては入浴を「キャンセル」したくなることもあるんだろうと思う。

 

仕事でも学校でも、活動しているときは交感神経が優位になる。自宅でくつろいでいるときは副交感神経が優位になる。リラックスモードというやつね。一日活動した疲労をリラックスして癒す、というのが一般的なニンゲンの生活パターンでリラックスの手段の中には入浴も含まれるんだろう。

 

ところがね、キャパを超えた活動を強いられていると脳は過労死を避けるためにいくつかの警告を発して活動を止めようとする。その時にはたらくのが背側迷走神経。これが優位になるとどうなるか、というと「やる気のスイッチが切れる」。倦怠感であったり疲労感であったり表現はいろいろなんだけれど、活動しようにもできなくなってしまう。

 

とてもかなわないような強敵に出くわした時に「死んだふり」をするのと同じメカニズムによる。新型コロナの後遺症とか五月病なんかも同じカテゴリーに入ると思う。確かに「しんどい」「疲れた」と言うんだけれどね、この時に優位になっている背側迷走神経は副交感神経に分類される。だから当事者からすれば「これ以上副交感神経優位にしてどうするんだ」ということなんだろうね。

 

ということで何らかの事情で背側迷走神経が優位になってしまうと、「入浴してリラックスする」ということがしんどさに追い打ちをかける行為になるということなのよ。それだけしんどいのならさっさと就眠すればいいだろうにスマホでだらだらゲームとかしているのは活動モードを賦活して交感神経を働かせ、背側迷走神経優位と相殺しようという本能のなせる業かもしれない。