昔、(ひょっとすると大阪ローカルで)はやった「ヤンキーの兄ちゃんの歌」の一節です。ヤンキーというのはもちろんアメリカ人のことでも大リーグのことでもなくまあ町にたむろしている不良、といった意味とお考えください。
うんこ座りとは、和式便所で用を足すときの姿勢です。彼らはこういうしんどい恰好で長時間あっちこっちで座り込んでいました。
このとき股関節と膝関節は「屈曲」しています。
前回書きましたようにケータイやゲーム機などで目を酷使しますと腸腰筋が伸びなくなります。この筋肉は股関節を屈曲させる働きをしますから、股関節がちゃんと伸びなくなる、と言い換えても同じです。イガク的にいえば股関節の屈曲拘縮、ということになります。
つまり、簡単に言ってしまえばケータイやゲームで目を酷使する子は「うんこ座り」が楽な姿勢となります。
そんな奴おるかい、という話ですが実は隠れうんこ座りは結構いるのですよ。教室に。
教室で授業を受ける時のように椅子に座ってみてください。そのままの姿勢で(足の裏を床につけたまま)股関節を曲げていって下さい。上体が前に傾きますね。
反対に上体をまっすぐにして股関節を曲げていって下さい。椅子の上で「体育座り」するみたいな変な姿勢になりますね。
机に突っ伏した姿勢、片膝(あるいは両膝)を曲げて抱え込んだような姿勢。実はこういう姿勢で講義を聞く子はすごい多いです。彼ら(真面目な学生も多いのですが)の姿勢はあらたな「うんこ座り」です。
若者だけではないようです。以前、私が小学校の時の担任の先生にお会いしたときにこの姿勢の歪みの話をしました。先生はハタと膝を打って「おるおる、そういう子。いっぱいいてるよ。」と言われました。そういう姿勢の子はやっぱり家でもゲームばっかりしていたりするようです。
人間というのは実に絶妙にバランスを取って生活しています。だからそのバランスを崩されると必死に修正しようとします。そのためにエネルギーを消費してしまって勉強どころではなくなる、ということのようです。
「愚民教育」であるところのゆとり教育が、エリートとして選別された子以外の学力を意図的に下げるようにデザインされていたのは前回書いた通りです。
「ほれ、ゲームやっとけ。ケータイ見とけ。勉強なんかせんでもいいからな。」というのがゆとり教育の究極のスタイルなのでしょう。
股関節がちゃんと伸びなければお尻が後ろに出っ張り、顎を突き出した姿勢になります。実はこの姿勢、昔話題となった「戸塚ヨットスクール」に入校してくる子供の身体的特徴として戸塚宏先生があげておられる姿勢とぴったり一致します。
ちなみに冒頭に挙げた「ヤンキーの兄ちゃんの歌」がはやったちょうどそのころに家庭用のテレビゲーム機が出現しています。偶然でしょうか。