夢の追走 |   Life-size

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~ありのままで~


ここのサーキットで初めてドリフトを見たときの場所。

先日の日比野さんとの練習で、これは日比野さんの走りです。
さすが、かっこいい。
振り出し、きれなど、全然及ばないが、
同じくらいなのはスピードです。
僕もほぼ同じスピードで進入しています。

でも、最初は・・・・・




夢という言葉をドリフトを始めてから使うようになった。

ほとんど言ったことがなかった。


ドリフトでの衝撃は何度かあるが、

2年前の9月、ここでびびった。

「こんなことできない。」

「ここで、こんなスピードでドリフトができたなら、
なんてかっこいいだろう。」


とても目標におけなかった。


夢としか言えない。


ここ以外にもいくつかあって、
YZ逆走アウト、ここも全く同じ気持ち。


D1なんて、夢のまた夢です。


はじめたときは、D1選手なんて、全く考えもしなかった。


ただ「運転がうまくなりたい。」

ドリフトという車の動かしたがまったくわからなかったし、
かっこいいと思ったし、
それができれば、運転がうまくなると思った。

サーキットのルールも知らないし、知人も一人もいない。

インターネットでいろいろ検索して、
ここのサーキットのスクールを見つけた。

せこい話だが、
1日のスクールが18000円もした。

評判もなにもわからない。


「いってみよう。」


そこに、佐藤さんという元D1ドライバーに
教えてもらった。

日比野さんもいたが、僕は直接教えてもらうことはなく、
担当が佐藤さんだった。


フリーで走ると、
佐藤さんやら日比野さんやらそこのスクール生の橋村さん
やらがガンガンにアクセル全開でドリフトをしていく。


僕は午前中であっさり車がこわれる。

ただパイロンのまわりをくるくるまわってるだけなのですが、
2時間くらいでこわれた。

月1回で朝9:00から4:30くらいまでだったが、

毎月午前でひどいときは30分で壊れたりもした。

積車もないから、ショップの方にきてもらって、帰ったりしていた。


とにかくすごすぎて、僕はあっけにとられていた。

学生のころから車の運転にはちょっと自信があったが、
それはすべて勘違いだと知った。

ショックでもなんでもなく、そう思っていた自分が
恥ずかしかった。


うまくなりたいけど、こんなこととても・・・



このスクールに2年前の9月から通い、
毎月1回習いにいった。

このスクールが年内で終了するということ
になって、ちょっとがっくりだった。

まだどべたで、毎月いきたかったなあ。

毎月日比野さんもいたが、僕は先ほどの通り
ほとんど話したこともなく、日比野さん
が僕の存在をしっているかどうかもわからない
ような状態だった。

そうして、スクールが終わり、
ともすればもう会うこともなかった
可能性もあったが、


ネットを調べてたら、
12月30日に走行会があり、
そこに日比野さんが主催者かなんかで
出るということなので、
電話で問い合わせて、
日比野さんと話した。


そこから、今につながっています。



「岡田さん、いつかここで追走しましょう。」


「できますよ。」



ここはスピードもすごいし、エスケープはほとんどないし、
左はコンクリートウォール、右もコンクリート、
1コーナーはブラインドでその先がみえない。


怖いなんてもんじゃ焼って感じなんだよね。



12月25日のここのサーキットの大会に出たいと
という意思を日比野さんに伝え、
2週連続で僕につきあってくれた。


僕が単走で走っていた。

いまだに怖いんです。

怖くて仕方がないくらい怖い。


アクセルを抜きたくなっちゃうが、

「全開で行く」と決めてないとできない。


そんな感じで、まだまだ下手なんです。

不安定なんです。


そんな中、しらぬまに日比野さんが車を用意し、
後ろにつく。

「えーーー、まだ無理っすよ。」

車での僕の声。

うれしい気持ちはわいてこなかった。

何やるかわからん運転なので、
僕がとっちらかった運転で、ぶつかるようなことがあったら・・・
という感じでただでさえ、びびってるのに、


追走ということで、びびりまくった。


1週目、単走で練習してたときと、
まるで変わってしまった。

ドリフトできず、
全開進入できず。


「なにやってんだ、おれ。」


2週目、最終コーナーからのたちあがり、

当然びびってるが、「集中」、「おもいきり」
この2点だけ。


なかなかの走り。





続いて、なかなかの走り。


ずっと怖かった。


しかし、こういう状態のとき、
意外と力がでるということも知った。


ビビりが集中へ向かうタイプなのかも?
わからんけどね。


だんだんうれしくなってきた。


2年前、追走どころか単走が夢だった。


それが今、「いつか追走を」

それが、今なんだと。







日比野さんの追走はあんパイじゃない時にいつも
始まる。


初めての追走は、1年前の11月1日。

カイタク走行会のときだった。


まだまだ下手な僕だが、体張って、
ぼくがうまくなったということを

「追走」で認めてくれる。


不安に思っている僕を
きっと追走という形で
応援してくれて、

「大会に自信をもってのぞんでこい」
というメッセージだったと思う。


だからこそ、本当にだからこそ、

真摯にとりくみたかった。


出る、納得が自分にほしかった。




何周も追走をしてもらった。








この日が来たんだ。


まだまだ下手だけど、


「合格点」をもらえた。



こんな合格っていう表現、なかなかない気がする。


本当に僕の運転はまだ危ない。
とてもじゃないが、僕の運転の後ろで僕は
走れない。


体を張って、僕も教えたい。

みんなに、僕のすべてをぶつけて、
時にはきびしく、
僕はただの審査員ではいたくない。


これからもそんな自分でいたい。


昨日はほぼ休憩なく、6時間連続で
ぶち怒りがありの研修をした。


それも含めて、体当たりだ。



映像で見るとどうしても迫力は落ちます。
しかし、1番上の単走のスピードで2台
が連なっていると考えると、すごいことをしている(日比野さんが)
ことが分かっていただけると思います。


ここのサーキットでもロングが本当の夢です。
そこでいい走りをすること。逆走アウト。

まだ夢のコーナーがいくつもある。

そして、追走。


本来の順序と今は逆。


僕が、師匠の後ろをついていかないとね。


本来あるべく姿の追走を、いつかここでしてみたい。



その日まで。


恐怖を超えて。






この追走を見ていた、ギャラリーの人が、日比野さんと僕に
「見させてもらっているだけじゃ、申し訳ないので・・」

という感じで1本の温かいコーヒーを走行後にもらった。


ちょっとうれしかった。