西表島サバニキャンプ 2013 -2- | 冒険手帳のブログ

西表島サバニキャンプ 2013 -2-


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天候が安定しているせいか、朝早くから崎山湾にも続々とダイビング船が集まってくる。
船が集まるところは集中している。 どの船も外界に面した潮通しのいい場所に係船している。 
という事は、海の中もきっとすごいのだろう。 
と思って、邪魔にならない程度の近くで潜らせてもらう。 

期待が大きかったせいか、サバ崎や崎山先端に比べると見劣りする。 
お客を連れてくるとなると係船がしやすく管理しやすいところがサービスする側のベストポイントという事になる。 
またこの海を見て残念がる人もいないだろう。 

サバ崎や崎山の先端は大きい船の係船は難しい。 
その点、カヌーやサバニはひざ下でもドンドン入っていけるから場所を選ばない。 

昨日から多少南の風が上がり、パイミ崎から回ったウネリが崎山湾まで入ってきていた。
幾つかの大きい追い波をかわすと平穏な網取湾に入る。 
風が上がっているせいか、地元のダイビング船が集まっていた。 

昼にはまだ少し時間があったので、ここでも潜り、昼食は網取集落跡へ。
現在は東海大学の研究施設になっているので、芝生も手入れが行きとどいていて居心地がいい。

ヤラブ(テリハボク)が囲む芝生の上で、
にぎり飯でお腹を満たし集落跡を探索し、たっぷりと昼寝をした。 

私はここの場所が好きだ。 
眼下に広がる網取湾は幾つもの青のグラデーションが水平線の向こうまで延々と続く。 
建造物を無理やり探そうと思えばここの桟橋ぐらいだろうか? 

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ウダラ浜にはもう少し早めに入るつもりだったが、立ち寄った先がそれを許してくれなかった。
ウダラ浜は一年振りの浜だ。 

ビーチに人の気配がしたが何人かの知り合いが来ていることは聞いていたので驚きはしなかった。 
ちょっと離れたところに船を進めたが、ここにも先客がいた。 
ウダラ浜は大潮になると潮が木々が生い茂るそばまで来る。 
5人の居場所を確保するとなると、
ハンモックを張る木、食事を取るスペースはどこでも良い。ということにはならない。 

近くに行って場所の確保をお願いしようと船を進めたら、何と昨年ここで出会ったトオルさんだった。 
サバニに乗っている殆どが昨年の参加者だから、
「あートオルさんだー!」「エーッ!」 これで場所の確保という問題が解消された。

ひとしきり互いの再会を喜んだ。 
あーここでもいい時を過ごせそうだ。 
誰に感謝すればいいのか分からぬまま、取り敢えず、

ありがとう。
            


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この日、ウダラ浜には私たち5名の他に5人の先客がいた。 
トオルさん、イリオモテのターザンの著者・水田さん、
昨年辻駒さん達と一緒だった岳、辻駒さんと同伴のカズさん。 

ウダラの浜でここに集まった全員が火を囲んだ。 
水田さんがイリオモテのターザンこと恵勇ジィのあの本には書けなかったいろいろな話をしてくれた。 
あの本は結構分厚い本だがそれでも削って削って、3分の1にまで減らされたと嘆いていた。 
ではこの機会に本には書けなかった話を聞かせて欲しいとせがんだ。 
恵勇ジィとの思い出話で中でも強烈に印象に残っているのは女性の話なのだそうだ。 
だけどそこだけは女性がいるここでは話せないという。 
日をまたぐ時間だったので女性陣は「では私たちは退散して、、」という訳で男だけでその話を伺った。
思わせぶりだが、ここでも紹介できる内容ではなかった。 
水田さんはどうしても、この話しを紹介したくて粘ったらしいが、内容を知った今、
私も出版社と同じ意見で、あの夜の話はウダラ浜でしかしてはならない話として大事にしておくべきだろう。


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私たちのブループを除いて殆どが一人旅ないし2人。
人間生活の雑踏から離れ、濃厚に残る西表島の中にあって、
更に奥にあるウダラ浜は夜になると、暗黒の森と明るく輝く星と幾十にも重なる生き物の気配が支配する。 

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誰もがそんな世界を求めてここに来ている筈なのに、
私たちのグループは騒がしい筈なのだが誰もがそんな素振りなど全く感じさせず気持ちよく接してくれる。 

恵勇ジィ亡き後、何年かここに変な人が住み着き、悪さをしたヤツもいたらしいが、今は平和が保たれている。


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つづく・・・