西表島サバニキャンプ 2013 -1-
フーカキサバニのHPに、この間まで遊んでいた西表島の様子がアップされている。
私はカメラを持っていないし写真を撮る習慣がないので、誰かが撮ってくれるとありがたい。
撮らないくせに見るのは好きだ。
見ていると忘れていた事がまざまざと蘇る。
写真だけだとやはり何かと伝わらないので書きたくなる。
写真を見ながら適当に思い出しながら書いていく。
行った人は、そうだったよなーと夢の時を回想し、
行っていない人はツアーでは決して成し得ない西表島の大自然を味わって欲しい。
僅かでも西表島の空気を、サバニの旅を感じてくれたら嬉しいなー
今回の参加者は全て昨年参加した人たちばかり、HPなどで募集していないのは、
サバニに乗る人数が限られているため案内を出す前に定員オーバーとなってしまったからだ。
だから今回のツアーは参加したくとも、残念ながらお断りする人もいました。
もし次回も開催する時はもう少し長く設定しようと思っています。
(第一弾は5名と余裕があったのは直前で2名参加できなくなったため、、)
西表島は耐え忍んで過ぎ去るのを待った大型台風も去り、
全ての生き物が喜び、生を満喫している事でしょう。
西表島の大自然をもう少し味わっていたかったが、写真を見つつあの夢の日を回想しよう。
2013年6月30日
座間味のサバニレースを終え、翌1日に慌しく後片付け、2日には石垣経由西表島と強行スケジュール。
石垣島では食材の準備班とサバニ準備班の二手に分かれる。
西表島で合流し、サバニは星立から出発地点の白浜へ漕いで移動。
(マリンサービス空海所有のサバニをお借りしている)
7月3日
白浜から、まずは集落の無い西へ進路を取る。
西表島の道路は島を一周していない。西部と言われる白浜集落が最も西になる。
ここから更に人の住む集落は、陸の孤島と言われる船浮集落しかない。
白浜を旅の出発地点にするのは西表島でも最も自然が残っている地域だから、
ここから先は海も山も川も人の気配がしない。
別のたいした用事も無いが、何となく最後の集落という事で船浮に寄ってみる。
小さな港の前には休憩所とトイレが完備されている。
炎天下でも影を提供してくれて快適なのだが、この建物が木製だったら尚いいのにと勝手な事を思う。
木製のサバニは熱を吸収し海の上は風が抜けるので、見た目以上に当人たちは涼しく居心地がいい。
船浮から更に西へ進むほどに人の気配が消えていく。
船浮湾はタンカーさえ非難できる広く深い海がある。
穏やかな日にしか来た事がないので見たことはないが、
台風や時化(シケ)の時は大型船が係留しているのだろうか?
船浮の岬を越えると海の色が一変する。
南国特有のさんご礁のグラデーションがドガンと目に飛び込んでくる。
船浮の裏にあたるイダの浜からサバ崎に至る湾に、
無数の名も無き(あるのかも知れないが、)ビーチが点在する。
昨年はこの中の幾つかのビーチに立ち寄ったので、
今回は天候が安定している今のうちに、できればパイミ崎まで行って見たい。
よって湾をショートカットしてサバ崎に向かう。
南から小さな雨雲が流れてきた。
視界が遮るような大きさではないので、涼しさをもたらす風も雨も心地いい。
10時を過ぎ、今が最干潮となっても長潮のため問題なくイノー(さんご礁の中)を行く。
サバ崎は船浮湾と網取湾を隔てる細長く突き出た半島なのだが、珍しい事にその先端に広いビーチがある。
岬の先端にビーチがあるところはそう多くはないと思う。
ここにハンモックを張って広い海を満喫できたら、と来るたびに思ったりするのだが、
影とハンモックを支える木が見当たらない。
冬、遮るもののない過酷な岬は木が育つ環境にないのかも知れない。
サバ崎のさんご礁はトップクラスと言って差し支えないと思う。
ここに入るのが初めての人もいるので、クールダウンのためしばし遊ぶ事にした。
まだまだ時間がたっぷりあったので、網取湾を超え崎山湾へ。
東海大の研究センターを横目にウルチ崎を越える。
網取湾から崎山湾へはウルチ岬の北に大きく伸びるリーフが発達している。
ここのリーフを超えていくとなると相当な遠回りとなるが、
ショートカットできるよう大きく開けたリーフの切れ目ある。
それでも私は西表の雄大な景色を楽しみたくて、
わざわざサバニの喫水ギリギリの干上がったイノーの中、断崖の側を通る。
岬を越えると崎山湾の全体像が現れる。
最も西にある最西端、パイミ崎に向かう。
パイミ崎も低い岬ながらも広いビーチが先端まで延びている。
リーフエッジがビーチ側にあったのでダイナミックなさんご礁をビーチエントリーできる。
そう思って先端まで行ったが先端のビーチには先客がいた。
カヌーで大原~鹿川~崎山と渡って、ここには4日目だという。
挨拶程度の会話だったが、人恋しい。という風でも無さそうだったし、
私たちに気付き慌ててパンツを履いていた。大自然を一人で満喫したいのだろう。
早々に退散する事にした。
このビーチ沿いを舐めるように進んで行くと、立ち寄ったビーチの半分にも満たないビーチがあり、
その隣に更に小さなビーチがあった。
まだ日は高かったがここからなら夕日も見られる。
ここのビーチは藻場が広がり、その先にはさんご礁もある。
藻場が広がっているせいかカメが多い。
西表島を紹介したパンフにもカメのマークがあったが、
クールダウンに入った僅かな時間で6匹以上確認できた。
崎山湾は1日のつもりだったが、
ビーチの対岸に木の生い茂る気持ち良さそうなビーチがあったので次回のためにも少し立ちよってみた。
小さいが澄み切った川の流れ込みがあった。
砂が天然の防波堤となって小さな水場を造っている。
張り出した木々の葉が真上に上がったギラギラの太陽の光を遮っていた。
山から流れる水は淀みなく、ひんやりする水に体を埋め輝く海を眺めた。
難破した木造船がビーチに打ち上げられ、バウ(船首)が半分砂に埋もれていた。
なんだか映画のセットのようだ。
予想以上のビーチだったので、日はまだ高いがここでまた長居する事にする。
つづく・・・