海藻おしば協会では、イベントでの海藻おしば体験教室の他、小・中学校を対象にした「環境教育としての海藻おしば教室」も開催しています。

 (一財)日本海洋レジャー安全・振興協会主催による関東近県での学校を対象にした「海洋・環境教育としての海藻おしば教室」は、永年継続して開催していますが、平成29年度も以下の6学校を対象に開催されます。

1:神奈川県三浦市立三崎小学校

2:茨城県土浦市立上大津東小学校

3:東海大学付属静岡翔洋高校中等部

4:千葉県木更津市立金田小学校

5:東京都江戸川区立小岩小学校

6:静岡県御前崎市立の小学校(未定)

 学校対象のプログラムは2本立て。その1がレクチュア(約45分)で、海藻や海の森の話、海の森を解説するDVD「ようこそ海の森へ」の鑑賞。主に多目的室や視聴覚室などを利用します。

 

その2が実技で「ハガキ一枚」のおしばづくり(約45分)になります。こちらは水回りのいい理科室や家庭科室などを使います。

 対象は小学3年以上で、大体2クラス60名が多いのですが、東海大学付属静岡翔洋高校中等部では、100名を越えるケースもあります。また、小岩小学校では6年生が対象で、卒業に際して保護者への感謝の気持ちをこめた「ポストカード」を作り、謝恩会で渡すのが恒例となっているようです。

 

 それでは、平成29年度に実施された三浦市立三崎小学校と土浦市立上大津東小学校の模様をご覧ください。

 

(一財)日本海洋レジャー安全・振興協会主催

三浦市立三崎小学校

『海洋・環境教育としての海藻おしば教室』

 

■開催概要

・主催 (一財)日本海洋レジャー安全・振興協会

・対象 神奈川県三浦市立三崎小学校5・6年生(各1クラス)

・開催日時 平成29年6月21日(水)

        午前10時45分~午後12時20分

・参加者数 53名(児童+先生・関係者)

 5年 生徒:24名+(先生1名)=合計25名

 6年 生徒:26名+(先生2名)=合計28名

・協力 海藻おしば協会

・講師 海藻おしば協会会長 野田 三千代

・交渉・記録 海藻おしば協会事務局長 尾澤 征昭

・サポート (一財) 日本海洋レジャー安全・振興協会振興事業部長:中村 貢氏 / 職員:神田京子氏/ 越智 真由美氏

・協力 (一社)みうら学・海洋教育研究所

 

■開催内容

平成29年度海レ協主催第一弾「海洋・環境教育としての海藻おしば教室」は、三浦半島先端部にある神奈川県三浦市立三崎小学校5年生(児童数24名)、6年生(児童数26名)を対象に実施された。この学校での開催は、三浦市教育委員会を通じ、一般社団法人「みうら学・海洋教育研究所」(事務局長:渋谷 総一氏)のご協力により実現した。三浦市は、地元にある東京大学大学院理学系研究科付属臨海実験所と連携。研究テーマを「三浦の海」とし、海洋教育(自然・地理・産業・暮らしなどの体験を通じたカリキュラム)を通じ地域展開を図り、カリキュラムの開発、人材の育成、基盤整備を促進。今回の打診は、海洋教育としてふさわしい内容と歓迎された。

 

■授業の模様

5年・6年合同レクチュァーでは、及川校長先生の挨拶、続いて海レ協の中村振興部長の挨拶、スタッフ紹介に続き、野田講師のレクチュアが行われた。海藻と海の森の話では、まず知っている海藻の名前を尋ねたが、漁師町ということもあり、たくさんの海藻の名前があがった。野田講師は、日本には約1,500種類あることなど伝え、挙げられた名前の中でも一番身近なワカメの標本を幼体から生育順に見せて、実際の海藻の色、形を説明して興味を引き出した。また他の海藻の標本作品も見せ、海藻がカラフルでユニークな形を持つの植物である事を知らせ、次に「海の環境保全に貢献している」、そして「海の生態系にも大きな役割をもっている」ことにつなげ、実際の海中の映像「ようこそ海の森へ」(11分)を鑑賞。鑑賞後には、海レ協スタッフが前に出て海の中の海藻の姿を再現。海藻の持つ海の中の役割(海の汚れを取る・陸の森と海の森は繋がっていることなど)を学んだ。その後、大型モニターでこれまでの参考作品を紹介。児童たちのおしばづくりへの期待感が膨らんだようだ。最後に記念写真を撮影しレクチュアを終了。

 

 5年生はそのまま理科室で、6年生は2階の家庭科室での実技では、最初に素材海藻の説明と作り方を指導。その後各教室でハガキ1枚の制作を楽しんだ。先生方も参加し生徒たちと会話を交わしながら、笑顔と笑い声が響くなか、短い時間ながら児童による素晴らしい創造性に満ちた作品が仕上がった。

 

三崎小学校全景。

創立145年の歴史を誇る三崎小学校校章。

 

●レクチュア(45分)

始まりの式は校長先生のご挨拶。

レクチュアの教室には大型標本パネルを展示。

これまでの参加者作品例も展示し期待感を高めます。

ワカメの標本を使って海藻の説明。

カラフルでユニークな形の美しい海藻にびっくりする児童たち。

お話の後はDVD[ようこそ海の森へ」を鑑賞。いろいろな海藻の

ことや、海の森の大切な働き、また日本各地の海の森を鑑賞。

レクチュアの最後には、大型モニターで作品例をじっくり見ます。

 

●実技

 ハガキ一枚のおしばづくり

ますは使用する海藻の説明。そしてハガキを水に濡らし、その上に海藻を選んで置いていきイメージを形にします。

家庭科室でのおしばづくり。みんな真剣です。

理科室でもみんな夢中で、いつも元気なこども達も「シーン」として

作品作りを楽しんでいます。

 

●次々と作品が完成します。

 

 

 

完成した作品を先生と一緒に笑顔で感想を述べています。

 

●5年生の作品

 

 

 

 

 

●6年生の作品

 

 

 

 

 

海に近い学校でしたが、「砂浜も少なくなり海に遊びに出ることも昔に比べたらめっきり少なくなりました」と校長先生も語っていました。海藻おしば教室で学んだことを心に留めながら、ふるさとの海を豊かできれいな海にすることが、こども達の手により続けられることを期待しています。