春から夏にかけて、ワイン畑ではカビ害対策に農薬散布を行っています。

古いワイナリーを訪れた事のある方は知っていると思いますが、ワインケラーにもカビは存在します。

気化したアルコールを栄養源に壁や天井、木樽に付く黒カビです。防カビのペンキの上にもお構い無しに繁殖して来ます。

 

黒カビといっても幾つもの種類があり、家カビとして一般的なクラドスポリウム属や泡盛、クエン酸、酵素剤の製造など食品の世界にも広く利用されているアスペルギルス ニガー。

中でも特徴的なものがクラドスポリウム セラー、厚さ1~2cm程度のマットレスの様な分厚い菌糸体を形成し、そのモフモフとした柔らかな毛並みから地下室の猫(Kellerkatze)とも呼ばれています。

 

もちろんカビなので不衛生ではあるのですが、低温で湿度が高く、薄暗いワインの熟成に最適な環境はカビの繁殖にも適している為、共存しています。

アーチ型天井のセラーに黒カビとクモの巣、ホラー映画にでも出て来そうですが、ある意味異世界を感じる事ができます。グラスに余ったワインを壁にかけて、黒カビの繁殖を促したりもします。これらはもうワインセラーの一部なのでしょう。

 

壁に付いたカビの模様は一つとして同じ物はありません、じっと眺めていると想像力次第で色々な物に見えてきます。