ドイツでは補酸は例外的な処置ですが、除酸は一般的に行われています。許可も申請も必要ありません。
方法は取り除く酸によって異なります。よく使われるのが炭酸カルシウム/炭酸カリウムで酒石酸だけを結晶化させ取り除く方法です。
ただ、酸が多い年とは冷夏で葡萄中のリンゴ酸が分解されず、高い割合で残った場合なので、リンゴ酸を減らすのが理想です。対リンゴ酸の場合、乳酸発酵により、リンゴ酸から乳酸に変える事で酸を半減させますが、乳酸菌の働きで香り、味にも影響が出て来ます。
他にドッペルザルツ(複塩)、これは酒石酸+リンゴ酸+カルシウムの結晶を作り、ワイン中から取り除く方法でリンゴ酸のみを取り除く事は出来ませんが、多量の酸を減らしたい場合に適しています。
少し前の話になりますが、2010年はドイツでも稀に見る酸度の高い年でした。ほぼ全ての原料果汁をドッペルザルツで処理した年です。
本来、年毎の酸の高低はヴィンテージ毎の特徴であるはずです。これを人為的に調整することは、味を単一化させ、ワインの面白味を減らす事になりかねません。それでも造り手が毎年の様にワインに手を加えるのは『安定の味』が『安心の美味しさ』である事を知っているからです。

