その形状と目的を考えると工業的に葡萄を洗うのは大変です。

 

『サッと水洗い』という訳には行きません。ハサミムシ等は日中、房の奥に隠れていますし、農薬に含まれる銅等はシャワーを当てた位では洗い流せません。洗浄後、果房が濡れたままでは果汁を薄めてしまいます。

 

収穫から圧搾の工程を遅らせる事無く、効果的に葡萄果房を洗い、更に乾燥させるにはそれなりの設備が必要になってきます。

 

1%のクエン酸水で、ジャグジーバスの様に水槽内を気泡で撹拌させ果房を洗います。洗浄後真水でクエン酸を洗い流し、バイブレーションと強力な送風により水分を取り除きます。

洗浄水は直ぐに汚れて来ますので、定期的に交換しなければなりません。この洗浄水の汚れと網に掛かったゴミを見ると、一見綺麗に見える手収穫の葡萄もいかに汚れているのか驚かされます。

 

葡萄果の表面は目に見えない残留農薬で汚染されています。これらは人体に悪影響を及ぼさない範囲内であっても、酵母の活動(発酵)には影響してきます。銅、すず、鉛等の重金属や殺虫剤は細胞毒なので発酵を阻害します。

 

洗浄果実と無洗浄の物を比較発酵させると発酵開始から終了まで、差が表れて来ます。洗浄果実の発酵曲線はほぼ直線を描きました。

 

味の差は今のところ、ハッキリとは言えませんが、これからが楽しみです。