『娘さんの生まれ年のワイン』というのをご馳走になったことがあります。本人は結婚して子供もいますが、ワインは行き遅れたようです。色褪せ、酸化臭のするものでした。

 

古いワインによくある劣化(欠陥)に酸化があります。

ワインの酸化の過程は色で見て取れます。白ワインの新酒は緑色素のクロロフィルが壊されずに残っているので軽く緑がかっていますが時間の経過と共に茶色へと変化(褐変)して行きます。この変化を出来るだけ遅らせ、長い間フレッシュな状態を保つ、安定えある事が必要です。

 

酸化とは、狭義には物質が酸素と結合する事です。

鉄が錆びるのも、年を食って加齢臭がするのも酸化が原因です。

ワイン中で酸化し易い物質はポリフェノール、これが酸化すると褐変の原因になります。

エタノールからアセトアルデヒドになり特有の酸化臭の原因になります。

人為的に加える亜硫酸やアスコルビン酸は更に酸化され易い物質で、これらは酸素の受け皿になり、上記の物質の酸化を防いでくれ、身代わりになっている訳です。

これが亜硫酸の重要な役目で、フリーの亜硫酸(他の物と結合していない遊離状態の亜硫酸)が十分にあれば、もしくは酸素がワインに触れなければ、ワインは酸化しないと言えます。

 

飲み手の好み、熟成の度合い、造り手の考えもあるので、これが正解というのはありませんが、製造の過程では一般的に酸素を遮断することで品質の向上が見られます。

酸化の条件、pH,SO₂、温度、表面積、ワインの質、酸化酵素の有無、置かれている状態でそのスピードは異なります。

昔ながらの方法にRahnprobe(褐変試験)があります。タンクからグラスに1/2程グラスに注ぎ時間の経過と共に色の変化を観察するもので、加える亜硫酸の量の目安にします。近年やる人も少なくなり、一律一定量を加えて終りにしますが、先人の知恵、実用的で無駄がありません。

亜硫酸に限らず添加物は『必要最小限』に抑えるべきです。