酷暑日 市ノ瀬別山道に退避す | 海川山野 漁人

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四季折々酒肴探求

葉月にズレ込んだ今季の梅雨明け。

何時行っても素晴らしい事は理解しつつも、二千Ⅿ峰近辺に出向くのを一っに絞るなら「梅雨明け頃」、二つが許されるなら「紅葉シーズン」と感じる所。

私事ながら今年齢満八十九歳に達する我が母は有難い事に介護制度を未だ一切使わず達者に日々を送り。

先週等は長兄(百回以上登頂)と五十六回目の「三方岩岳」登頂と聞き及び!?

平場に居て炎熱地獄確定の予報、この愚息が「チブリ尾根方面」に退避するけど一緒に行くか?と問えば行くとの返事嬉しく。

大方の登山者が「白山方面」にシャトルバスで既に向かい、僅かなマニアが「市ノ瀬別山道」で早立ちした市ノ瀬バスターミナル

気温二十三℃と快適そのもの。

七時二十分に市ノ瀬を発ち、作業林道登山道分岐点

標高870m AM7:30

何処まで行けるかは未定ながら10時に反転予定と定め。

さすがに深山、葉月に「コゴミ」の若芽。摘んで有るのは動物の仕業か!?その視点が自分でも可笑しくもあり。

標高930m AM8:00頃到達。

自分の良く出向く医王山と同等の標高、ここに飯場がありご厚意でトイレ、休憩施設が一般開放され。

ここを整備し「別山」登山の起点としてくれれば有難いと少しだけ感じ。

この付近から「カツラ」「ブナ」「サワグルミ」「クリ」「ミズナラ」その他巨木多く。

この時間帯に歩む人無き冷涼な「別天地」

同行の母の様子を常に観察、確かな足取りを心強く感じ。

時折マップで位置を確認、作業道並走エリアは携帯端末の電波状態は下手な田舎町より良好。

登山では無いので深いブナの森、巨木が有る度に眺め入り

最初の標柱の所で大阪から来た若者に初めて出会い、ややあって関西から来た御夫婦連れ。

若者は別山を登り南竜でテン泊、ご夫婦連れはチブリ尾根避難小屋から折り返しとの事。

口々に母を褒めて頂き、本人の喜ぶ様を嬉しく感じるも、話を進める内に「冷や汗!!」

ゆっくり観察しながら歩んだこの区間(二時間内)で、二組の人が口を揃えて仰るのは「小熊」が木に登っているのを見たとの事。

(時間差を差し引いても全く気配を感じなかった事実を密かに反省)

巨木の袂から突如伏流する「石清水」で涼をとり

手持ち時間を勘案、未だ行けるか!?と問えば標柱にある「水場」まで頑張るとの事。

傾斜と疲労で動きのキレがやや欠け気味ながら好判断と感じ。

何とキッカリ目標通りに「水場」に到達。

標高1260m AM10:00

期待の水場に「ガッカリ」(大爆!!)

200m先?違うかと思いつつ、、、

折角飲むなら先程の石清水と再び大休止。

周囲には「山葡萄」視座に苦笑、、、

熊が冬籠りしそうな巨木散在。

菌類も潤沢、ミズナラの巨木多く「マイタケ」がさぞ多い事と推察。

ダケカンバの森に至れぬも、名残りを惜しみつつ巨木の森を抜け

帰途「石好き」の蟲が騒ぎ

手取層群の頁岩の露頭の「シダ化石」に見入り

13時頃無事「市ノ瀬ターミナル」に帰還。

けたたましい救急車のサイレンが別当出合いに向かうを見送り。

小熊の件と言い不測の事態のリスク多き山行の無事終了を「奇跡」とさえ感じ。

三年前「白山室堂日帰り達成」そして今回の「市ノ瀬別山道」と言い、自分が小兵ながら比較的「頑強」なのはこの人譲りと感謝に堪ず。