びんの中の恋人 ロン・ウェッブ ( 過去記事にてレビュー済みなので省略 ) 

 

死線 リチャード・マシスン ( 「一年のいのち」 過去記事にてレビュー済みなので省略 ) 

 

レミングとの対話 ジェイムズ・サーバー ★★★☆☆

 登山中の主人公が突然レミングと会話をし出すというシュールな作品。

 最後のセリフの痛烈な皮肉。

 

お墓の引越し レイ・ブラッドベリ ( 過去記事にてレビュー済みなので省略 ) 

 

橋は別にして ロバート・L・フィッシュ ★★☆☆☆

 いやいや、そうはならんやろっていう。

 ナンセンス小話みたいな感じ?

 

指あと リチャード・マシスン ( 「指文字」 過去記事にてレビュー済みなので省略 ) 

 

一ドル九十八セント アーサー・ポージス ( 過去記事にてレビュー済みなので省略 ) 

 

受話器のむこう側 ウォルター・S・テヴィス ★★★★☆

 男が間違って自分の電話番号にかけてしまうと、なんとその電話は未来の自分へと繋がってしまう。未来の自分は彼に将来大当たりするや競馬の情報を告げ、彼はそれに従って賭けることで大金持ちになるのだが・・・という話。

 

 オーソドックスな未来SFものかもしれませんが、ストーリーの組み立てがおもしろくて引き込まれました。未来の情報を得る手段が電話なこととか、それによる主人公の焦りと不運、タイムパラドックスを解消しようと働く力、主人公の死因など・・・それぞれがうまいこと作用し合っていておもしろかったです。

 

たとえ赤い人殺しが ロバート・シェクリー ★★★★★

 タイトルがすごく印象的ですね。なんだろうと思わせるような。

 

 半永久的に続く戦争時代、人材がリサイクル資源として大いに活用されてしまう社会を描いています。めちゃくちゃブラックで恐怖、皮肉的なんだけど、どこかゆるくてユーモラスな雰囲気がすごくおもしろかったです。ともすれば非常に暗くなりがちな絶望的な内容を、あえて軽いテイストで描いているのがいいのかな。

 すごく好きですね、この作品。

 

魔法の窓 ロバート・F・ヤング ★★★★★

 ある時何気なく画廊のある通りを通り抜けようしたビジネスマンは、あどけない少女が売っているたった一枚の美しい風景画に目を留めるが・・・という話。

 

 ロバート・F・ヤングの書くものはどれもロマンティックですね。

 この作品もとてもせつなく美しいです。

 

 主人公は美しい絵を見ることができる素質があって、もう少しでそれが見えたのに、今一つ現実社会から抜け出すことができなくて、結局永遠にその機会を失ってしまった・・・。もし絵が見えていたなら、きっと少女とも共にいられただろうに、それもできなくなって・・・せつないですね。

 

 この作品はハッピーエンドにもアンハッピーエンドにも、どちらにもできそうな話なだけに、なぜ作者があえてアンハッピーエンドを選んだのかが気になります。

 ラストシーンの絵の描写がたまらなく淋しさに包まれているのがなんともいえない気持ちになりました。