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 バンパニーズは嘘をつかないけれど、バンパイアは嘘をつく ( こともある ) という皮肉。

 

 最終巻でいろいろな真相が明らかになるけれど、ここはあえて、できるだけネタバレしないで感想を書いてみようかなと思います。ストーリー的にこうなるだろうなとは予想していたけど、ほんのりミステリっぽくておもしろかったですね。ああ、あの時もう殺るつもりだったんか・・・みたいな。

 

 全体的な感想としては、児童書とは思えないレベルのバイオレンスさだったけれど、ストーリーは次から次へといろいろな出来事が起こるので、飽きさせることなく、ぐいぐい惹き込んでいくような感じでしたね。ところどころ、作者が思うような展開にさせるために、キャラの行動や考え方にちょいちょい不自然さが目立つようなところもあったけど、概ねおもしろい作品だったといえます。

 

 ラーテン・クレプスリーを主役にした外伝ということで、本編では語られなかった彼の裏話的なものが盛りだくさんでしたが、クレプスリー以外のキャラたち・・・バンチャやガブナー、エラやカーダなどなど、たくさんのキャラの「実はこういうことがあったんだよ・・・」というエピソードも見せてくれる内容となっているのがうれしかったですね。作者は、読者が何を読みたいかがよくわかっているんだな、と。

 

 この作品での彼らのエピソードをふまえた上で、もう一度『ダレン・シャン』本編を読み返してみたくなりました。