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 迷えるラーテン・クレプスリーの巻。

 バンパイアでありながら人間社会で暮らす<アウトロー>から離れ、再び師匠シーバー・ナイルの元へ。荒野のレディー・エバンナとの出会いがメインかな。バンチャやアロー、バネズ等、本編で出てきたバンパイアの顔ぶれも登場。

 

 この巻で一番好きなエピソードは、バンパイア総会でクレプスリーが再戦したバンパイアとのちょっとした絡みかな。最後がちょっとせつないんだけど、いいエピだった。

 あとは、ドラキュラ作家のブラム・ストーカーの小ネタもおもしろい。

 

 しかし、船で航海することになる以降の展開が、ちょっと雑すぎないですかね。

 船に乗ることになるきっかけもそうだし、大量虐殺からのそれまで普通だった少年がいきなりグロに目覚める展開、赤ん坊を引き取ることになるいきさつまで、なんか流れが強引すぎて、もうちょっとなんとかならなかったのかなという印象です。

 いや、この巻で一番おもしろかったのもこの辺りだし、インパクトはあったんですけどね。

 

 この巻は、とにかく自分の進むべき道が見えなくて思い悩むクレプスリーの苦悩が描かれた巻です。そして一巻のオレンジ色の髪の毛の謎に続き、彼の頬の傷の理由が明かされています。なんたる若気の至り。これは確かに誰にも言えないな・・・。