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 最終巻でようやくそれまで完全無欠だったミーナにも思い通りにならないことが出てきて、彼女の弱さや激情が露になったけど、この方がキャラクターとしてはぐんと魅力があったように思う。

 彼女に対するガルダーやシルヴァノシェイの想いがせつない。

 

 スカイアの最期はベタだけど、すごく泣けたなぁ・・・。(;ω;)

 そしてレイザーは、あいかわらず燻し銀で味のあるドラゴン。

 寡黙なんだけど、けっこう面倒見がよくて律儀なとこがいい。

 

 休み休み、長い時間をかけながらようやく読み終えましたが、すごくおもしろかったです。

 ドラゴンランスといえば戦記と伝説だとずっと思っていたけど、この『魂の戦争』も好きだなぁ。好きっていうか、大好きだ。

 

 特に、三部構成で各部ごとに一回、ドラゴンとの死闘が入っているのが、胸が熱くなる!

 やっぱり、人間とかエルフとか弱き存在が力を合わせて巨大な敵と戦うっていうのが、ファンタジーの王道だけどすごく好き!引き込まれる!

 

 ただ、第三部ではミーナがドラゴンランスを普通に持てちゃってるのが解せないけど・・・。暗黒属性の人は持つとダメージくらうんじゃなかったの?オーディラみたいに。

 これが手のひらをめっちゃ焼かれながらも、その苦痛に平然としてドラゴンランスを振るってるとかなら素直に「ミーナすげー!」と思うけど。

 そうじゃなくて、やっぱりいつものミーナ特別扱いっぽいのがなんとも・・・。

 

 今回、ランスの仲間たちがみんな死んでしまいましたが、まさかソス卿まで成仏(?)しちゃうとは思わなくてびっくりしました。(笑)

 でも、みんなそれぞれ、その人らしく生きた末の最期だったのが良かった。

 タッスルホッフもパリンもパラダインも・・・みんなそれぞれの選択をして、それぞれの行く道へ進んだ。レイストリンも、兄や仲間たちのもとへと向かった。

 最終ページを読んだ時は、今までのドラゴンランスシリーズでの彼らの生き様を思い出して、しみじみするのを通り越して、もうなんだか泣きそうだよ。

 

 ジェラードも、最後の方ではすっかり暗黒騎士の扮装が板について、演技も手馴れてきてるのが。(笑)

 

 いやー、最後まで読めて良かった。(ノД`) 感無量。

 第二部も良かったけど、第三部のクライマックスあたりは本当に良かった。

 「幸せなはずの未来が不幸な出来事によって奪われてしまったとしても、人はいまいる場所でだって希望や大切な物を手にすることができるんだよ」って、そんなメッセージが込められていそうな物語だった。 

 

 さて、次は秘史シリーズの三冊か。

 ところで、つばさ文庫の戦記の続きはどうなった・・・・・・。

 ついでに、ポルシオスは一体どこにいるの?