岡本綺堂作であっしの大好きな芝居だ。芸術家の執念がテーマで最後に自分が天才芸術家だと気ずいた伊豆の夜叉王が目の前で死んでいく我が娘を前にしてその顔を描こうとする。駄目な役者は最後に親の愛が勝ってしまい筆を捨て娘を抱いてしまう。滝沢修がそうだった。坂東弥十郎はそれをしないのがさすがだった。他では下田五郎という役に魂を入れた中村鷹之資が抜けて良かった。