松竹には山田洋次、森崎東、前田陽一の三人の喜劇監督がいた。人気があったのは山田洋次だが上から目線で庶民を描いているのが鼻についた。あっしが好きだったのは庶民と同じ目線に立って描いていた森崎東だ。前田陽一は型にひまらないワイルドでアナーキーな所が好きだった。今回のラピュタ阿佐ヶ谷はその前田陽一特集で本作は彼のデビュー作品だ。吉原をモデルにした桜原の戦後から売春防止法成立までを描いた作品で香山美子の処女の娼婦を主人公にしている。客席が大入り満員なのが嬉しい。タイムマシンがあったら行ってみたいな吉原へ。