木下恵介企画、山田太一の脚本は松竹マークから物語が始まる。つまり映画の舞台が富士山の麓の富士吉田なのだ。粋なもんだ。夫に先立たれたて女手一つで二人の子供を育てる乙羽信子と子供の話に学歴問題、都会と地方の経済格差、資本家と労働者の対立等昭和30年代の社会問題を盛り込んだ作品だ。助監督が中新井和夫、あっしが出演した俺は男だの監督だからあっしにも縁がある。木下忠司の音楽は背くらべとインターナショナルの歌ばかりが印象に残る。